土と四行の働き

 

五行の中では土のみが特別な働きを持つ。上昇と下降のように両極を作るのが陰陽。この陰陽を転換させるのが土である。四行においても陰陽の法則が成り立つ。上昇に属するのは木。下降に属するのは金。最高点に達するのが火。最下点に達するのが水。土は木火の上昇と金水の下降を転換させるエネルギー体である。従って土のエネルギーは一貫した方向性を持たず、上昇下降を繰り返し、頂点に達した次には最低点へ向かう。

 

  五行の気はすべての物質に含まれる。例えば元素も木火土金水何れかの気を持つ。その中で土気を明確に持つ元素は硫黄である。硫黄は特に代謝を促す五黄土星の働きを持つ元素と推察できる。土は陰陽逆転の気質を持つことから、硫黄は他の元素との結びつきにおいて未知の働きを持つ可能性を秘める。硫黄は他の元素にはできない気の転換や調整を行い、人体においては呼吸やエネルギー産生、代謝に重要な役割を果たす。

 

 土気を持つ十二支は運気を不安定化させる。土気の丑辰未戌は上昇と下降の気質を内包するため、同じ運気を維持することが難しい。丑辰未戌の月は土用の期間を持ち、土の気が旺盛となるため環境変化に慎重を来す。坤宮、艮宮、中宮も同様に土気を発揮し、遁甲する九星の環境変化を促す。

 

 中宮を定位とする五黄土星はエネルギー産生と代謝の気である。従ってエネルギーの強弱が激しく出る。中宮に位置する五黄は周囲の九星を統括し牛耳る。五黄は他の九星を支配することもあるが、他の九星の協力を得て成果を作ることもできる。五黄のエネルギーは成就と破綻という運気の逆転を作り出す。

 

 九星とは光であり、その光が八方位に分界して現れたものが九星である。五黄は光を生み出し、九星それぞれの役割を築き、その力を統制する。土は人において運気を不安定化させもするが、木火金水の上昇と下降を転換させ、宇宙における循環と調和を作る働きを担う。 

 

 

浅沼気学岡山鑑定所監修