百十三話
〔6月の運気〕
6月は七赤金星が暦の中央に入り、午の旺盛な気を携えて5月の変革を軌道に乗せます。5月は情に裏付けされた公益追求、和平交渉です。5月の変革の流れは6月に引き継がれ、公益に基づいた国家や組織の運営を盤石にします。今月は世の中全体に影響を及ぼす変革はその内容に矛盾が生じ、個人的な作為は合意が得られず暗礁に乗り上げます。国民全体に対する配慮が不足すると水面下で猛烈な反発を招きます。午の月は総じて道義、礼節、配慮が問われます。国民を意味する二黒土星の勢いが増し、隠れていた思いが表に出てきて明確に意思表示するようになります。
高騰する米の価格の真相が明らかになると、一部の利害関係者の作為と真っ向からぶつかり、批判の声が世間に広がります。水面下では食糧事情を不安定化させる政策が秘密裏に進められる可能性もあります。善の政策は一部の利害関係者によってことごとく塞がれてしまうのです。
5月から7月までは道義がゆがめられる流れがあり、7月に至ると情報開示とともに国は政策の転換を余儀なくされます。2025年は7月までが前半の流れとなり、政策の矛盾と作為の破綻によって結末を迎えます。後半の8月は五黄土星が中宮に入り、世の中をゼロから立て直す流れが始まります。
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2025年からの波動環境の特徴は本命世界と月命世界と日命世界のバランスが回復され、互いの境界線が薄らいでいき、次元の異なる世界が合流していくということです。これは本命世界の強い固定観念が崩れていき、利害関係による縄張りと閉鎖的空間が消滅していくことでもあります。世界は精神性を現わす月命を軸として生きていく時代に切り替わっています。建前、しきたり、固定観念がモティベーションの軸となることはありません。利権の世界は歪められた本命世界の遺物です。今後は精神性によって築かれる個々人の価値観が本来の世界を動かしていくのです。
日命は感覚、感性、直感を担います。今まで最終的な判断基準として根拠が乏しいとして蔑ろにされがちであった直感が今まで以上に重要視されるようになります。周波数は高くなるほど変化スピードは速くなります。世の中の動きが速くなるということは、周波数が高くなってきていることの証左であり、周波数が高くなっているということは周波数の最も低い本命世界の判断基準ではもはや追い付かないことを示しています。精神性を軸とする月命の時代は既に始まっており、その月命は感覚感性直感を現わす日命を繋ぎ、高次の判断を日常に引き入れます。我々が日常生活の中で感覚的におかしい、直感的におかしいと思うことは、もはや通用しなくなる時代が来ているのです。
〔宇宙は見返りを求めない気が土台となっている〕
六白金星と二黒土星は他の波動とは異なる次元の働きを持ちます。二つに共通する働きの本質は現世の欲から隔絶していることです。六白金星は与える一方でわが身に受け取ることはありません。六白を象徴する太陽光は地球の生命に光を与えますが、その見返りは何もありません。二黒を象徴する土は地球の生命を生み出しわが身を犠牲にして無償で育てます。そこには何一つ見返りがありません。これが六白と二黒の本質です。
この二つのエネルギー体が俗世に絡むと穢れが生じ、人心は乱れ世情は混乱します。光は生命エネルギーの根幹であり、光合成は地上の生命体のエネルギー源です。土は生命を育む無限のエネルギー体であり、ここから食料が生まれます。米は六白金星の元素とエネルギーを持ち、二黒土星のエネルギーによって生育します。米を利害に絡ませると六白と二黒の気が穢れます。六白の気の穢れは最も貴ぶべきものを失うことになります。それは権威の失墜、統治の乱れ、政の腐敗に直結します。二黒の気の穢れは母性の欠落を招き、親が子を育てる本能を失い、情をなくし、規範と道義に無頓着になります。
六白と二黒は宇宙の根幹の気であり、二つの気の交わりから宇宙は生まれます。この世には六白と二黒という神聖な気があります。この二つのエネルギーから宇宙は始まります。見返りを求めない六白と二黒の営みが宇宙の調和と永続性を形づくるのです。
〔月命を軸にした次元世界の連結〕
2025年は生旺墓のエネルギー的リズムのなかの生に当たります。2025年に中宮に入る二黒土星には解体と再生の働きがあり、この力が今まで当たり前と考えてきた価値観を解体し、新たな価値観を構築させます。二黒土星は母性を現わし、生命を生み出す地球も二黒土星の気質を基盤に持ちます。従って2025年は地球のエネルギー形態が変化する年となり、あらゆる生命体もこのエネルギー的変容の影響を受け、自己変容をもたらすものと考えられます。
さらに2025年の暦上の巡りには大きな特徴があります。それは2025年における価値観を現わす離宮の六白金星と2月における離宮の六白金星が双方天道を伴い同会したということです。この現象の背景には本命が主導する物質的価値観と月命が主導する精神的価値観の融合が隠されていました。これは見方を変えると、物質的価値観が精神的価値観に昇華する機会と捉えることもできます。離宮において同じ九星が天道を伴い同会するパターンは六白金星の天道のみです。さらに六白金星は先天においては離宮が定位であるため、2025年2月における六白金星の配置は非常に大きな意義がありました。
2025年は地球が月命を軸とする波動環境に移行する節目の年となります。その原動力に六白金星の変容があり、この六白金星が波動環境を転換させる一つの鍵を握っています。六白金星は2025年に離宮という精神的価値を現わす宮に入り、天道という高次のエネルギーを伴っています。このことは六白金星が物質的価値から精神的価値へと昇華する根拠を示しています。
この流れと並行して、六白金星は今までにない大きな岐路に立つことになります。2025年という年は六白金星の気がふるいにかけられ、真正の六白金星と俗世の六白金星との二つに分岐する道筋が描かれています。俗世の六白は私欲と利害に動かされ、時とともに消滅していく物質的価値を追い求め、真正の六白はあらゆる利害から離れ、与えても尽きない精神的価値を求め、そしてこれを万民に提供します。このふるいによって虚構の上に成り立つ財と地位は崩落し、真正の六白が本来居座るべき地位に復帰するのです。この流れによって一部の権威あるものが国を動かし経済を動かしていた流れが明確に変わります。こうして人々は貨幣を中心に回っていた物質世界の限界を目の当たりにし、精神世界すなわち月命がもたらす精神的価値を軸に置かなければ今後の世界は成り立たないことに気付き始めます。この流れが価値観の軸を確実に転換させていくものと私は見ています。
暦の流れでは、258(二黒土星・五黄土星・八白土星)が中宮に同会する年に世の中全体を変革する動きが現れます。2025年は二黒土星が中宮に入り、六白金星を離宮に迎え、世界を動かす主導権が一部の権力者から国民一人一人へ移行する転換の年となります。この流れは3年ごとに進行し、2028年におけるインフラの革新が起こり、2031年の五黄土星中宮同会では九星が本来の定位に戻ることによって世界が振出しに戻り、個々人の精神的自立と独立が促され、それぞれの役目に応じた能力が発揮されるようになると考えます。
この流れに並行して、147(一白水星・四緑木星・七赤金星)が258の変革を軌道に乗せます。すでに述べている通り、時代のマクロ的な動きでは七赤金星の時代が始まっています。七赤金星は喜び、励み、癒しを現わし、趣味や志を同じくするグループを形成し共同体を作る働きがあります。この七赤金星の価値観がモティベーションの柱となり、衣食住を安定させる時代になるのです。これがマクロ的な大きな流れです。その七赤金星時代の中にミクロ的な循環が入ります。これを147のエネルギーが順を追って展開します。2022年から2027年までの6年間は七赤金星が後押しし、2028年から2033年の6年間は一白水星が後押しし、2034年から2039年の6年間は四緑木星が後押しします。これら3つの九星が循環することにより、天道を伴う九星の変革が軌道に乗り、政治と経済の新たな体制を整えていくのです。
浅沼気学岡山鑑定所監修

