巽宮および乾宮における九星の適性
巽宮および乾宮の天道で役割が与えられると、自分がその組織にしっかり属し、役割を与えられ、自分が生かされていることを実感する。そこでは疎外感がなくなり、必要とされているという安心感が与えられる。これが何かに従属することの意義である。およそ人生の中で何かの社会的な集まりに属さない人はほとんどいない。どこかの共同体に属するのが人間社会の特性である。
気学における人付き合いは様々な九星の配置で説明できる。その中で巽宮乾宮のラインに九星が配置されることの意味は協調性や社会常識が問われること、その組織や共同体の中で一定の義務が発生すること、そこに属するための選別と条件が発生するということである。そしてそこに属すると報酬が与えられる。巽宮と乾宮は生活の安定を保証する宮である。だからこそ社会との協調が求められる。
この二つの宮には自分の本来の意向ではないものに従うという状態が生じる。共同体の理が構築されるからである。従ってこの理によって拘束が生じ、強い利害関係が生じる。この利害関係は堅固な主従関係により感情的な抑圧が生じる。
巽宮乾宮において最もバランスを崩しやすい九星は147すなわち一白水星、四緑木星、七赤金星である。147は従属の気質でありながら、心と行動の自由を求める。147の成長の糧は光を得て伸長する自由度である。この自由に制限を加える宮が巽宮と乾宮である。巽宮と乾宮の天道は自分という存在が社会に属し、適応し、明確な役を与えられることによって才能を発揮する。これは適性が何よりも問われる。適性がないこと、自分の特性にマッチングしない役割はむしろストレスとなり成長の阻害要因となる。巽とは選別の気である。環境条件が合うことがその九星の特性を生かす条件となる。
巽宮と乾宮に適合する九星は258および369、すなわち二黒土星、五黄土星、八白土星また三碧木星、六白金星、九紫火星である。但しこれには条件がある。258は巽宮に同会すると不安定になり、法則に従い破を伴う。破はその九星の欠点を引き出す。破を伴う九星は元来その宮にうまく適合しがたいことを示している。一方乾宮において258は優れた適性を発揮する。これは法則に従って天道を伴うことからこのことを証明している。土は地盤が安定する宮において適正を発揮する。巽宮は五行の木で四方八方に枝を伸ばし宙に向かって伸びていくが、巽は風の象意のもと、地面を離れて浮遊する。土は総じて地面より上の位置にあると不安定化し、本来の役目を果たせなくなる。乾宮は金であり、地下の岩盤を意味する。
一方、369は258とは逆で巽宮を得意とし乾宮を苦手とする。その理由は369が持つ気質に由来する。369に共通することは上昇・拡張の気であり、光を発する気であるということである。三碧木星は雷光、六白金星は太陽光、九紫火星は火の光である。光は地上のものを照らし、これをもって本来の役目を果たす。従って369は後天図における地上の宮で役目を発揮する。巽宮は地上にあり、乾宮は地下にある。369の光は地下において発揮できない。
九星は宮によってその力の発揮に明確な差異が出てくる。天道を伴う宮ではその九星の力が存分に発揮され、破を伴う宮ではその九星の欠点が出やすくなる。地球の波動環境は九星の働きを見ればよく分かる。九星の八宮での働きは地球の波動環境を正確に物語っている。
浅沼気学岡山鑑定所監修

