セレン Selenium Se
セレンはオレンジと赤色に敏感に反応する。この色合いは七赤金星の気質である。セレンの生体での働きを観察すると、総合的には震宮における一白水星の気質が旺盛に現れる。このため震宮の一白水星を実質的に動かす三碧木星の特徴が合わせて浮上してくる。セレンには解毒、免疫促進、抗炎症、抗酸化、甲状腺モルモンによる代謝調整の働きがある。これらの特徴は震宮における一白水星の働きが現れているものと考えられる。
〔セレン欠乏の症状〕
セレンが欠乏すると心筋症、不整脈、易感染性、貧血、筋力低下などを引き起こす。震宮の一白水星は暗剣殺を伴いエネルギーが不安定化するため過剰と欠乏が起きやすい。震宮の一白水星暗剣殺は三碧木星の筋力低下や痙攣などを引き起こし、血流および心機能を不安定化させ、さらに六白金星に派生して免疫力を低下させる。
〔セレン過剰の症状〕
セレンは毒性があることから過剰に摂取すると中毒性が現れる。症状としては脱毛、爪の変形、胃腸障害、下痢、疲労感、焦燥感、皮膚症状、末梢神経の障害が起き、大量に摂取すると胃腸障害、神経障害、心筋梗塞、急性の呼吸障害、腎不全が起きる。これらの症状は震宮の一白水星不安定化によって生じるものと考えられる。
〔免疫促進作用〕
セレンは免疫細胞であるT細胞の機能を亢進させ、サイトカインの産生を制御する働きがあると言われている。サイトカインは震宮における一白水星の働きと考え、セレンは免疫に働きかける三碧木星と一白水星の働きを繋いでいるものと考える。
〔抗炎症作用〕
セレンの抗炎症作用は震宮の一白水星によるプラスの働きと考える。震宮の一白水星は暗剣殺を伴い不安定化するが、天道を得るとプラスの働きを活性化させる。炎症は震宮の一白水星(暗剣殺)および兌宮の九紫火星(暗剣殺)において現れやすい。一白水星暗剣殺には二つの局面があり、一白水星過剰による炎症と三碧木星過剰による炎症がある。同様に九紫火星暗剣殺は九紫火星過剰による炎症と七赤金星過剰によって引き出される炎症の二つの局面がある。一白と三碧は互いに協調すると同時に制御し合い、同様に七赤と九紫も互いの過不足を制御することによって促進と抑制のバランスを保つ。
〔抗酸化作用〕
一白水星の過剰は六白金星の酸化ストレスをもたらし、三碧木星は一白と連携しながら六白の動きをコントロールする。この場合、六白金星暗剣殺を活性酸素による酸化ストレス状態と考える。抗炎症作用同様、抗酸化作用は天道を得た一白の安定的な状態からもたらされるものと考える。
〔甲状腺ホルモン制御〕
セレンは主に肝臓腎臓に含まれ、甲状腺ホルモンの代謝に関わる。肝臓は三碧木星の気を司る震宮、腎臓は一白水星の気を司る坎宮の臓器である。震宮における一白水星の働きの一つに甲状腺ホルモンの制御がある。
〔解毒作用〕
セレンは水銀の毒性を低下させる働きがあると言われる。水銀は総合的には一白水星の気質を持つ。肝臓は三碧木星の気質をもって震宮の一白水星を代謝し解毒する。
〔精子形成〕
セレンは精巣の発達を促し精子形成とその運動性に寄与する。セレノタンパクVは精子形成に働くと考えられている。精巣および精子は一白水星の働きであり、一白の運動性を促進するのは三碧木星である。
〔抗がん作用についての見解〕
セレンの抗がん作用については一貫したデータが得られないこともあり、定説にはなっていない。一白水星の気質を持つ元素のがん細胞に対する反応は予測しづらく、条件や環境次第では亢進に転ずる可能性を秘める。その最大の理由は震宮の一白水星暗剣殺の不安定化にある。震宮の一白が能力を発揮する条件は適時・適度・適量であり、さらに個体差が出ることも判断を難しくさせる。震宮の一白は天道という一白の能力を活性化させる特別なエネルギーを伴う時と、サポートとなるエネルギーが得られず生体にほぼマイナスの影響のみを及ぼす時がある。一白は代謝が活性化する震宮においてはプラスマイナス双方の影響を及ぼす。総じて震宮における一白の生体への影響は予測が立たず判断が難しい。その一方で天道を伴う時は一白の代謝能力を活性化させ、免疫力を増強させることも考慮しておかなければならない。
〔方向感覚〕
セレンの過剰は動物の方向感覚を失わせるとの見解がある。セレンは特に震宮における一白水星の機能を発揮するため、この症状は当然予測できる。一白が定位となる坎宮は小脳の働きを担い、体の部位の動きを指示し、平衡感覚を維持する働きがある。それ故一白の働きが不安定化するとふらつき、方向感覚を失う。補足としてアルコールによる体のふらつきも震宮の一白がもたらす症状の一つとして考えられる。
〔セレンを含む食品〕
セレンは魚介類、香辛料(からし)、肉類、穀類、卵、乳製品、種実類、きのこに多く含まれ、特に魚介類に多い。からし粉、かつお節、豚腎臓、牛腎臓、あんこう肝、ひまわり種、あじ、小麦粉、中華麺、卵、食パン、納豆、チーズ、しょうゆ、ごまなどに多く含まれる。種子、菌類は一白水星の気質に属する。肉の部位では一白水星の気質を持つ腎臓に多く含まれる。
浅沼気学岡山鑑定所監修

