リン Phosphorus P
リンは三碧木星及び九紫火星の気質を持つ。リンのphosphorusはギリシャ語にちなみ、光をもたらすものという意味がある。白リンは光を吸収すると暗闇で光る性質がある。気学が捉える光は三つの九星からもたらされる。三碧木星の光は瞬間的にひらめく雷光であり、直進するレーザー光である。六白金星の光は太陽光であり、すべての方向に放ち、あらゆる場所に届く光である。九紫火星の光は火から発生する光である。白リンは空気中では50°以上で発火する。こうした揮発性は三碧および九紫の特徴を現わす。リンは肥料の三大栄養素である窒素・リン酸・カリウムの一つとして掲げられる。いずれの元素も震宮における成長促進の気質を持つ。三碧木星は九紫火星(火)と一白水星(水)という対極の気質を繋ぐ重要な役目を持つ。
〔リンとカルシウムの関係性〕
三碧木星が中宮に同会しエネルギーが過剰になると、震宮の一白水星は暗剣殺という不安定化したエネルギー状態となり一白の過不足状態を招く。三碧と一白は密接な関係性を持ち、互いの過剰なエネルギーを抑制しながら、一方では互いの能力を引き出しあう。
副甲状腺ホルモンは血中カルシウムを増加させ腎臓のリン再吸収を抑制しカルシウムの吸収を促進する。この場合リンを三碧木星、カルシウムを一白水星と見なす。震宮における一白はホルモン分泌調節の働きがあるから、副甲状腺ホルモンを震宮における一白の働きと見なすことができる。過剰なリンとカルシウムが結合すると血管の石灰化が進み動脈硬化の原因となる。三碧と一白は動きが硬直化すると生体において障害を及ぼす。巽宮の一白と乾宮の三碧の関係は特に硬直化しやすく、動脈硬化、心臓・肺への障害、足の血流悪化、尿路結石などを誘発する要因となる。震宮は代謝の最も活発な場所であり、一白は代謝に最もなじみやすく貢献度が高い。同時に震宮は環境変化の影響を直接的に受ける場所であり、このため体調の変化を招きやすい。一白水星暗剣殺はこうした環境変化に対する体の適応と拒絶反応双方を現わす。
〔リンの毒性〕
白リンは反応性が高く毒性が強い。白リンは正四面体の結晶構造をしており、正四面体の形は九紫火星の気質を現わす。毒性は震宮の一白水星暗剣殺および兌宮の九紫火星暗剣殺に現れやすい。震宮の一白はその気質をプラスにもマイナスにも発揮する。従って一白の気質を持つホルモンは総じて代謝をプラスにもマイナスにも傾かせる。また震宮の一白には体内の解毒と外敵を攻撃する毒性との相反する作用が現れる。攻撃性の強い動物や昆虫は三碧の気質を旺盛に持ち、攻撃に際して一白の毒性を利用する。毒性には一白の毒と九紫の毒があるが、九紫の毒性は化学薬品など人工的に作られた毒性と考える。
〔リン酸化〕
リン酸化はタンパク質機能の調整や細胞内のシグナル伝達において重要な役割を担う。リン酸化はタンパク質の働きをON/OFFの切り替えによって調整する。リン酸化・脱リン酸化におけるON/OFFの切り替えは九紫火星の離合作用によって行われる。また三碧木星は一白水星と結びつき、シグナル伝達の働きを担う。リン酸化におけるリンの働きは三碧と九紫の特徴をよく現わしている。
〔有機リンと無機リン〕
食品として摂取するリンには有機リンと無機リンがある。リンは過剰に摂取すると腎臓を傷めると言われる。特に加工食品の添加物に含まれている無機リンは腸から吸収されやすく血清リン濃度が上昇しやすい。三碧木星および九紫火星は摂食の働きを現わす兌宮に同会するとエネルギーのバランスを崩し、時に障害を及ぼす破や(九紫)暗剣殺を伴う。また一白水星が中宮に同会すると三碧木星は兌宮に同会し、六白金星は坎宮に暗剣殺を伴い同会する。この時の三碧および六白もエネルギーのバランスを崩し不安定化する。
一白水星は腎機能や血流を現わし、六白金星は心機能を中心とした循環器系の状態を現わす。リンの過剰摂取は腎機能や心機能に障害を及ぼし、また腎機能の低下はリン過剰を招く。このことは一白と三碧および一白と六白との関係から捉えることができる。また過剰なリンの摂取は骨密度を低下させると言われる。三碧は一白とともに骨形成を司るため、気学の観点からも三碧過剰は震宮の一白水星暗剣殺を招き、骨形成を不安定化させると考えられる。
九紫火星暗剣殺は人工的に作られたものを摂取することによる害を現わし、食品添加物、加工食品、残留農薬はこれに該当する。九紫火星暗剣殺は生体に及ぼす範囲が多岐にわたり、アレルギーや炎症、循環器、呼吸器の疾病、免疫力の低下、遺伝子変異などを引き起こす要因となる。以上のことから加工食品や添加物の多い食品の摂取は気学の観点からも生体に弊害を及ぼす懸念があると指摘できる。
〔リンを含む食品〕
リンは香辛料(からし粉)、魚介類(かつお節)、藻類(甘海苔)、ココア、豆類(大豆)、種実類(ごま)、乳製品(チーズ)、緑茶、肉類、卵、穀類(米・小麦)など幅広い食品に含まれる。
浅沼気学岡山鑑定所監修

