酸素 Oxygen O
酸素は六白金星の気質を持つ。六白金星の気質を明確に持つ元素はこの他に鉄がある。六白金星の象意は光であり太陽光である。太陽は分け隔てなくすべての生物に届く。この性質に則り、六白には公共性、公平性、普遍性の象意が現れる。これに対し私的なるもの、私情、自己愛は一白水星の気質となる。六白と一白は気学的には金生水の相生となるが、公的なるものと私的なるものは概念として対立関係となる。この対立の形は一白水星中宮における坎宮の六白金星暗剣殺に現れる。
酸素は呼吸、燃焼、殺菌力を司り、炭素、水素、窒素とともに生命維持のための根幹の元素となる。酸素は空気の質量の23%を占め、太陽系においては水素、ヘリウムに次いで多い元素となる。タンパク質などの化合物の基本はC(炭素)H(水素)O(酸素)であり、炭素は七赤金星、水素は三碧木星、酸素は六白金星に当たる。三つの九星は共通して一白と相生である。三つの元素はそれぞれの九星の気質を持ちながら、一白との協調関係を築く。この一白の結合力によって三つの元素は相剋の壁を越えて化合することができている。
エネルギーは総じて六白金星の気質に当たり、太陽光のみならず熱エネルギーや電気エネルギーも六白に当たる。六白に天道等の強い吉神が伴う時は、酸素環境が良い状態、衛生環境が整った状態、免疫力が活性化した状態、エネルギー環境が安定した状態と見る。
〔水の生成〕
六白金星の酸素と三碧木星の水素が化合すると水となる。水を意味する八卦の坎☵の形は酸素と水素が結合したH2Oの形として見ることができる。六白と三碧は互いに相剋の関係でエネルギー的には逆方向に向かうが、六白と三碧に相生の一白水星が二つの九星を結びつけ水を生成する。
〔殺菌力〕
三碧木星および六白金星は殺菌力を持つ。三碧と六白が結び付いた過酸化水素は殺菌、消毒に用いられる。三碧は震宮の一白水星暗剣殺を用いて殺菌力を発揮し、六白は水分を吸収または蒸発させて細菌の繁殖を抑制する。塩素(一白)およびナトリウム(六白)はこの原理に基づいて殺菌力を発揮する。
〔活性酸素〕
病気の大半は活性酸素による酸化ストレスが原因であるという医学的な主張がある。活性酸素は生体において老化、遺伝子損傷、炎症をもたらし、さらに過剰になると免疫力を低下させる。一方活性酸素はプラスにも働き、細胞のシグナル伝達、細胞分化、排卵、受精、アポトーシス、感染防御、がん細胞攻撃などの働きがある。体に害をもたらす活性酸素は六白の不安定化した状態と考える。不安定化した六白とはまず一白中宮における坎宮の六白金星暗剣殺が考えられる。また六白が破を伴う時も活性酸素が生まれやすい環境であると気学的には推測できる。
酸化ストレスは活性酸素の産生が抗酸化力を上回った状態で生まれる。抗酸化力は三碧木星と一白水星の協働によって成り立ち、双方のバランスが取れている状態において機能するものと考える。特に天道を伴う震宮の一白水星は六白の過剰を制御し、活性酸素によるプラスの働きをもたらしている可能性がある。このため一白と三碧のバランスが崩れると、六白の過剰を制御する力が弱くなり、酸化ストレスを招きやすくなると推測することができる。
〔穢れの思想〕
日本では古来より穢れの思想がある。穢れは気枯れの状態すなわちエネルギーの欠乏状態と捉えることができる。六白金星は光であるため何ものも付着していない純潔の状態を現わす。その六白金星が一白水星の過剰によってストレス下に入ると、六白金星暗剣殺となりエネルギーが欠乏し不活性化する。六白の力が一白より増す時は一白の湿気を吸収し殺菌力が旺盛になる。六白の気質を持つ塩化ナトリウムは古来より清めの塩として用いられており、六白の気質を鑑みればこの慣習は気学と化学の整合性を得ていると考えられる。
浅沼気学岡山鑑定所監修

