ニッケル Nickel Ni
ニッケルは一白水星の気質を持つ。ニッケルは必須微量元素の一つである。銀白色の金属で鉄族に属し強磁性を持つ。ニッケルは人体にも微量ながら含まれており、骨に一番多く存在し、生体においては酵素の働きに関与する。ニッケルは耐腐食性が強く、高い延性と耐熱性を持つ。延性と耐熱性を持つ五行は水である。ニッケルは充電可能な二次電池の材料として用いられる。エネルギー充電は六白金星の蓄電力によって成り立つものであり、一白と六白の繋がりがニッケルの働きを通して確認することができる。
〔ニッケルと免疫反応〕
ニッケルは汗と反応するとニッケルイオンが解け、免疫反応が生じて皮膚炎やアレルギーを引き起こす。震宮の一白水星は発汗の形でもあり、暗剣殺を伴うことから生体にプラスマイナスの作用が現れる。この一連の免疫反応が引き起こす炎症は一白水星暗剣殺の働きからもたらされるものと考えられる。すなわち抗原およびサイトカインは震宮における一白水星の働きと考える。金属アレルギーを起こしやすい金属はニッケル、コバルト、クロムであるが、いずれの元素も一白水星の気質を持つ。総じて環境条件によって毒性を発揮しやすい元素はまず震宮における一白水星暗剣殺を疑う必要がある。
〔生殖機能への影響〕
ニッケルが過剰または欠乏すると、精子産生の低下や精子機能の低下などの生殖障害が起きるとの研究報告がある。生殖機能の低下は一白水星の障害が最も大きく、特に震宮の一白水星は外界から直接的影響を受け、一白の機能を不安定化させる。一白の欠乏は震宮の一白に現れやすく、代謝、運動機能、生殖機能、肝機能、腎機能、心機能、精神機能に影響を及ぼす。一方一白の過剰は六白金星の障害として現れやすい。坎宮の六白金星暗剣殺は酸化ストレスや免疫力低下を現わし、精子や卵子の老化など生殖機能の他、腎機能、心機能、肺などの呼吸器にも障害を及ぼす。
〔ニッケル吸引による人体への影響〕
職業上の暴露でニッケルの粉塵を吸引すると皮膚炎、肺炎、肺がんなどの呼吸器疾患、腎障害を引き起こす要因となることが指摘されている。この一連の障害も震宮における一白水星および一白中宮による六白金星暗剣殺の影響が大きいと考えられる。
〔酵素ウレアーゼ〕
ニッケルを含む酵素としてはウレアーゼが掲げられる。ウレアーゼは尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する。光合成細菌にもウレアーゼが存在することが分かっている。汗は代謝を表す震宮の一白水星から排出され、アンモニアはその過程で排出される。震宮における一白は代謝とその代謝を行う酵素の働きを現わす。
光合成細菌は太陽光を利用して光合成を行い、農業や水質浄化に役立つと言われている。光合成は六白金星型のエネルギー産生を現わし、一白は動力の三碧木星とエネルギー供給の六白金星を結びつける。八白土星を中宮とする時、六白と一白は地上環境を表す震宮および兌宮に回座し、非常に安定した能力を発揮する。水質浄化は六白(殺菌力)と一白(水)との連携によって成り立つ。
〔植物生育への影響〕
ニッケルは酵素ウレアーゼの存在からも分かる通り、植物の生理機能に重要な役割を果たしている。一方で土壌においてニッケルが過剰になると植物の成長抑制が生じる。成長抑制は成長を促進する三碧木星と細胞分裂を担う一白とのバランスの崩れによって生じる。
〔モリブデンとの拮抗〕
モリブデンはニッケルと土壌の植物生育において拮抗し、ニッケル過剰を抑制するとの報告がある。モリブデンは一白水星の気質を持つ。震宮の一白水星は暗剣殺による陰陽混淆によってエネルギー的に不安定化しており、同じ一白同士の元素でも拮抗する可能性がある。この要因として、一白水星と三碧木星および一白水星と六白金星との関係が掲げられる。一白は三碧と六白と相生でも、三碧と六白は相剋の関係となる。従って同じ一白の元素でも三碧と六白のどちらの気により強く結びついているかによって、エネルギー的な反応が分かれることが予測される。
〔鉄との拮抗〕
ニッケル過剰の土壌においては植物に鉄欠乏症状が現れる。その背景にニッケルと鉄との競合があると指摘されている。鉄は六白金星の元素であり、一白水星の元素であるニッケルが過剰になると六白は暗剣殺を生じ、六白のエネルギー減退と欠乏を招く。
〔ニッケルを含む食品〕
ニッケル含有量が多い食品には豆、ナッツ類、油糧種子、香辛料、コーヒー、ココア、紅茶、チョコレートなどがある。種子は一白水星の気に属し、発芽、新芽は三碧木星の気に属する。食用の豆は二黒土星の気に属するものでもあるが、豆を種子と見なすと一白水星に属するものとなる。
浅沼気学岡山鑑定所監修

