マンガン Manganese Mn
マンガンは一白水星の気質を持ち、主として震宮における一白水星の性質を帯びるものと考える。マンガンは空気中で酸化しやすく褐色の被膜を作る。
〔涙とマンガン〕
マンガンが一白水星の気質を帯びることの決め手は涙である。涙にはマンガンが豊富に含まれ、マンガンが一定量を越えて溜まるとうつ病のリスクが上がり、涙を放出するとうつ病を軽減できると言われる。情感は一白の象意であり、一白が過剰になると六白金星は暗剣殺を招き、精神状態を不安定化させる。震宮の一白は水分の体外放出を促すため、汗や涙も一白の代謝として捉えることができる。
〔マンガンの生理作用〕
マンガンの生理作用として骨の形成と代謝、血糖調整、運動機能、皮膚代謝、活性酸素からの防御があり、多くの酵素の反応に関与している。これらは三碧木星と震宮の一白水星の連携によって成される。活性酸素は六白過剰から現れやすく、一白は六白の力を抑制することによって抗酸化作用を発揮する。
〔酸素吸着作用〕
マンガンは強い酸素吸着作用がある。この性質からマンガンが多い鉱山での作業では酸素欠乏症を招く危険性がある。酸素は六白金星の元素であり、一白水星は六白金星と強く結びつく気質を持つ。坎宮の六白金星暗剣殺は酸素欠乏あるいは鉄欠乏状態を現わす。
〔マンガン中毒〕
マンガンを多量に吸入すると精神や神経に障害を来す。初期症状の中に記憶障害、情緒不安定、多幸症状、攻撃性、頑固な不眠、嗜眠症、幻覚、妄想、性欲の減退などが掲げられている。また長期暴露によりパーキンソン病に類似する症状が現れ、心血管機能の変化が現れることがある。これらの症状は気学的には三碧木星の過剰状態および震宮の一白水星暗剣殺によってもたらされるものと考える。
〔マンガン肺炎〕
マンガンの過剰摂取や厳格な菜食主義の人はマンガン肺炎を起こす可能性も指摘される。肺炎球菌はヒトの体内で増殖し病原性を発現する際にマンガンを利用する。マンガンの過剰と肺炎との結びつきは、一白水星の過剰と六白金星暗剣殺との繋がりによって説明できる。六白金星の障害は肺炎、心不全、免疫低下に結び付く。また一白の過不足は肺機能を司る乾宮において生じることもあり、一白が乾宮に同会する時は九紫火星が中宮に同会し、二黒土星が食を意味する兌宮に同会するため粗食や菜食に傾きやすい。
〔マンガン欠乏〕
マンガンが欠乏すると骨代謝、皮膚代謝、糖脂質代謝、運動および生殖機能、血液凝固に障害を及ぼす可能性がある。これらの症状は震宮における一白水星暗剣殺特有の症状であり、三碧木星と一白水星のバランスが崩れることによってもたらされる障害と考える。
〔植物への影響〕
マンガンが過剰になると植物の鉄欠乏を助長する。一白水星のエネルギーが過剰になるとストレスが生じ、六白金星の働きが阻害され鉄欠乏が生じやすくなる。
〔マンガンを含む食品〕
マンガンを多く含む食品には、香辛料、緑茶、藻類、穀類などがある。香辛料は植物の実から得られるものであるから、実を種子とみなすと一白水星に属するものとなる。日常的に摂取しやすいものとしては緑茶が最も多く、その他あおさ、青海苔、こしょう、生姜にも多く含まれる。食品の偏りによる障害には二つの方向性があり、震宮の一白水星暗剣殺と兌宮の九紫火星暗剣殺がある。暗剣殺は自発的かつ人工的な偏り、また外的環境からもたらされるという特徴が考えられる。
浅沼気学岡山鑑定所監修

