九星とコンビネーション
〔九星とコンビネーション〕
九星の相性は年盤月盤におけるコンビネーションで見ることができる。気学では九星の相性を相生相剋で見ることを基本とするが、これはエネルギーの方向性を大筋で捉える手段としては有効である。但し実際の相性は九星が後天図を遁甲するため、どの宮に位置するかによって相性は変化する。年盤月盤に実際に現れる九星の相性には、五黄土星、暗剣殺、年月の十二支と対冲に生じる破の影響が生じる。相生の関係ではあっても実際の年月盤では宮の配置によってこれらの気の障害を被ることがある。相性は理論ではなく実質的なエネルギー状態で判断することが求められる。
〔親密度が高い九星の組み合わせ〕
九星の親密度が高くなる宮の組み合わせには二つのパターンがある。それは縦の繋がりと横の繋がりである。縦の繋がりとは後天図における縦軸すなわち離宮と中宮および坎宮と中宮の関係である。また横の繋がりは震宮と中宮および兌宮と中宮の関係である。縦軸の関係には引力と斥力が働き、人においては強固な精神的繋がりと精神的解放をもたらす。後天図では南が最上位となり、上位、尊敬、理想の対象となる。離宮の九星は中宮より上位となり、中宮より精神的立場上優位に立つことになる。実際、離宮の九星は中宮の九星の指導的立場に立つことが多い。この上下関係は中宮と坎宮の位置関係にもそのまま移行する。例えば以下の組み合わせが縦の繋がりとなる。
縦の繋がり
離宮:九紫火星 中宮:五黄土星 ⇒ 中宮:九紫火星 坎宮:五黄土星
離宮:六白金星 中宮:二黒土星 ⇒ 中宮:六白金星 坎宮:二黒土星
これに対し横の繋がりには行動の促進、人間関係の親密度、自由度が現われる。この繋がりは上下関係や付き合い方の制限がなく、互いが自由に話せコミュニケーションに緊張感を生じさせない。最も気心の知れた知人、友人、相談相手、話し相手が横の繋がりとなる。特に中宮と兌宮の関係はコミュニケーションが緊密になり、かけがいのない友人となり話し相手となる。例えば以下の組み合わせが横の繋がりとなる。
横の繋がり
震宮:三碧木星 中宮:五黄土星 ⇒ 中宮:三碧木星 兌宮:五黄土星
震宮:六白金星 中宮:八白土星 ⇒ 中宮:六白金星 兌宮:八白土星
以下、緊密度と安定度の高い九星の組み合わせを掲げ、その特徴を述べてみたい。
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〔三碧木星と八白土星〕
縦の繋がりで安定的かつ内面的結びつきの強い組み合わせは369と258である。八白土星が中宮に同会すると三碧木星は離宮に同会する。南は上位であり尊敬の対象となる。従って八白土星は三碧木星を仰ぐ立場となる。例えば月盤寅の八白土星は離宮の三碧木星に天道を伴う。天道はその宮の安定性に寄与し、その宮に入る九星の能力を活性化させる。
三碧木星は思春期、若年の気であり、また長男の象意を持つ。一方八白土星は父性を現わすため、中宮の八白土星は離宮の三碧木星を持ち上げ、評価し、下から支える立場となる。これは一見立場が逆転しているように見えるが、五行木と土の自然界における関係性に準ずるものである。三碧木星は土から勢いよく伸びあがる茎あるいは枝から出てくる芽であり、八白土星は土の中で伸びていく根である。根の張りは木の基盤であり成長の原動力となる。また先天の艮宮は三碧木星であり、後天の艮宮は八白土星である。これは水面下で父の八白土星が長男の三碧木星への技術継承を行うことを暗示している。
また三碧木星が中宮に同会すると八白土星は坎宮に同会する。例えば月盤辰の三碧木星は坎宮の八白土星に天道を伴う。この時の八白土星は水面下で三碧木星を支える立場となり、八白土星の持つ技術を三碧木星に伝授する。この関係は時に逆転する場合もあるが、いずれの場合も直伝による継承が進む。縦軸の繋がりは精神的繋がりを基本とするため、この継承は知識と技術を超え、精神性、スピリットの継承となる意味合いが強い。
〔六白金星と二黒土星〕
二黒土星が中宮に同会すると六白金星は離宮に同会する。例えば月盤寅の二黒土星は離宮の六白金星に天道を伴う。六白金星は二黒土星の指南役となり人生に指針を与える。また与える一方の六白金星は二黒土星に無償の富をもたらす。
六白金星が中宮に同会すると二黒土星は坎宮に同会する。例えば月盤辰の六白金星は坎宮の二黒土星に天道を伴う。二黒土星は六白金星を水面下で支え、六白金星にとっての心の支えとなる。二黒土星も六白金星も無償で奉仕する気質がある。二黒土星は無償で子を育て、種子を発芽させ植物を成長させる。六白金星は無償で地上に光を照らし万物の成長に寄与する。二黒土星と六白金星は土生金の相生となるため、その結びつきとエネルギー的安定性は非常に高い。二つの九星の結びつきは人においては精神的自立を助け、師から弟子、親から子への継承を促し、最も重要な精神性の継承が利害に結びつくことなく無償で行われることを可能にする。
〔九紫火星と五黄土星〕
五黄土星が中宮に同会すると九紫火星は定位の離宮に同会する。例えば月盤寅の五黄土星は離宮の九紫火星に天道を伴う。もとより九紫火星は教える立場にあり五黄土星の最も重要な指南役となる。五黄土星は一貫した方向性を持たず、そのエネルギーの盛衰が激しいため、九紫火星の明確な指南が必要不可欠となる。九紫火星は理性、秩序、道義、礼節を五黄土星に教え、その計り知れないエネルギーを合理的目的と道義に沿った方向性に使うよう導く。
九紫火星が中宮に同会すると五黄土星は坎宮に同会する。例えば月盤辰の九紫火星は坎宮の五黄土星に天道を伴う。五黄土星は九紫火星を下から支える立場となるが、同時に九紫火星を師とし、弟子の立場から九紫火星の振る舞い方、知識、そして最も重要なスピリットを継承する。九紫火星と五黄土星は火生土の相生となり、エネルギー的繋がりが非常に強い。火の九紫火星の活動はそのまま土の五黄土星に生かされ、その成果を継承することができる。
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〔三碧木星と五黄土星〕
横の繋がりで親密度と安定度が高い関係は369と258である。369と258の組み合わせは縦軸横軸双方において結束力が強いことを示している。この組み合わせは巽宮乾宮においても同様の安定性を見せる。縦軸と横軸は後天図を形成する気の基軸である。この組み合わせは変化ラインの147とともに気の安定性を築く重要な役目があると考えられる。
三碧木星が中宮に同会すると五黄土星は兌宮に同会し、法則に従い天道を伴う。例えば月盤丑の三碧木星は兌宮の五黄土星に天道を伴う。兌宮は衣食住を司る宮であり、コミュニケーションを豊かにする。従って中宮の三碧木星にとって五黄土星は身近で親しみやすい関係となり、気軽になんでも話せる友、互いを束縛せず自由に付き合える人という意味合いになる。
兌宮には安らぎや楽しみをもたらす働きがあり、天道を伴う五黄土星は三碧木星に励みと安心感をもたらす。五黄土星はゼロから創造するエネルギー体であり前例に従わない。このため五黄土星が話題を意味する兌宮に同会すると、今まで聞いたこともない話を提供し、この人にしか言えない特別な言葉で三碧木星を励まし勇気づける。
この関係を震宮と中宮に置き換えてみる。五黄土星が中宮に同会すると震宮に三碧木星が同会する。例えば月盤亥の五黄土星は震宮の三碧木星に天道を伴う。三碧木星は直観力、表現力、行動力を発揮し、五黄土星のモティベーション、独創性、実行力を引き出す。この関係はどちらが中宮に同会しても安定度を保つ。互いの自由を守り、互いの可能性を最大限に引き出す。
一方この二つの関係は147すなわち一白水星・四緑木星・七赤金星が中宮に同会するパターンにおいては必然的に不安定化する。例えば一白水星が中宮に同会すると三碧木星は兌宮に同会し五黄土星は離宮に同会する。この時の三碧木星と五黄土星はエネルギー的に対立関係となり、新規の取り組みや交渉事は上手く運ばない。
四緑木星が中宮に同会すると三碧木星は巽宮に同会する。この時五黄土星は乾宮に同会し、三碧木星は五黄土星の反動エネルギーである暗剣殺によって不安定化する。但し巽宮と乾宮に同会する三碧木星と五黄土星には法則に従い天道を伴うため、二つの九星の方向性が一致し、互いの力関係が一方的にならない限り互いの能力を引き出し合う。
七赤金星が中宮に同会すると三碧木星は坎宮に同会し五黄土星は震宮に同会する。この時も三碧木星と五黄土星は対立関係となり、エネルギー的に結合には至らない。従って足並みは揃わず、取り組みはいずれ決裂することになる。
このように三碧木星と五黄土星は横の繋がりにおいて協調関係となり、互いの能力を引き出し合う。この視点は非常に重要であり、九星がどの位置でどの九星と連携するかによって、その九星の能力の発揮度と成果の方向性が決まる。
〔六白金星と八白土星〕
六白金星が中宮に同会すると八白土星は兌宮に同会し、法則に従い天道を伴う。例えば月盤丑の六白金星は兌宮の八白土星に天道を伴う。中宮の六白金星は兌宮の八白土星に衣食住のサポートを受け、八白土星を仲介とした幅広い人脈を得られることとなる。また八白土星が中宮に同会すると六白金星は震宮に同会し、法則に従い天道を伴う。例えば月盤亥の八白土星は六白金星に天道を伴う。六白金星は八白土星のモティベーションを引き出し、人脈と財産を受け持つ八白土星の方向性を私益ではなく公益に導く。六白金星と八白土星との結びつきは土生金の相生も手伝い、エネルギー的に安定度の高い組み合わせとなる。二つの九星はいずれも財を意味するが、この富を震宮兌宮という空間に浸透させることによって生活基盤の安定と経済的繁栄に寄与する。
〔九紫火星と二黒土星〕
九紫火星が中宮に同会すると二黒土星は兌宮に同会し、法則に従い天道を伴う。例えば月盤丑の九紫火星は兌宮の二黒土星に天道を伴う。二黒土星は大衆や国民を現わすため、九紫火星は二黒土星の圧倒的多数の支持を得、不特定多数の人からの励まし、癒し、声援を得られる。また二黒土星が中宮に同会すると九紫火星は震宮に同会し、法則に従い天道を伴う。例えば月盤亥の二黒土星は震宮の九紫火星に天道を伴う。震宮の九紫火星は二黒土星のモティベーションを引き出し、学習意欲を掻き立て、行動の目的を明確化させる。
こうして二黒土星と九紫火星は横軸において良好な関係性を築き、世の中全体の安定と秩序に寄与する。横軸の九星による親密な関係性は個人においてはコミュニケーションを緊密にし、互いのモティベーションを引き出し、互いの能力を活性化させる。この働きは地球の気象にも影響を与え、自然環境や生活環境を整える原動力となる。正義と解放を司る九紫火星がすべてを分け隔てなく無心で受け入れる二黒土星の最も身近な存在として寄り添う姿に気の世界の計らいを見ることができる。
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〔九星における三つのグループ〕
次に九星の三つのグループを紹介する。このグループは十二支に現れるエネルギー循環のリズムによって三つの階層に区分けすることができる。この階層を生旺墓とする。生は発生、旺は旺盛、墓は終焉である。この三階層に準じて九星を三つのグループに分ける。すなわち生を司る258(二黒土星・五黄土星・八白土星)、旺を司る147(一白水星・四緑木星・七赤金星)、墓を司る369(三碧木星・六白金星・九紫火星)である。ここで改めて147,258、369が持つ特徴を考察しておきたい。後天図における縦軸の繋がりと横軸の繋がりは九星のグループの動きとして整理することができ、その役割もグループの持つ特徴を通して理解することができる。
〔生を請け負う258は改革を為す〕
土は陰陽の転換を為す。土の基本作用は解体と再生である。完成したものを解体してゼロに戻し、また新たなものを作り上げる。258は坤宮中宮艮宮に並び、土特有の変化変容をもたらす。土は一定の方向性を持たず、予測不能の変化を作り、またその変化に耐え応じる。坤宮中宮艮宮は家族関係を築く宮であるが、258は実質的には家族的連携に疎く、むしろ個人技に生きようとする。
家族の繋がりは血の繋がりによって決まる。血の繋がりを先祖との繋がりと捉えると、生誕の宮である坎宮が根源的な血族の繋がりを現わす。坎宮の血の繋がりは特に生体における気質の継承すなわちDNAの繋がりとなる。一方坤宮中宮艮宮の繋がりは家族のみが可能となる役割の転換と共助が特徴となる。土は利害に絡まず無償で尽くす。家族内では互いの役目を臨機応変に享受し、家族のために尽くし時に犠牲を払う。この土の気性がなければ家族は成り立たない。
258は意図の有無を問わず、結果的に家族の負担を強いる傾向がある。この背景には二黒土星の忍耐と受け入れを拒まないという気質がある。二黒土星は変化に疎く、八白土星は規則的に環境変化を作り、五黄土星は自分本位で事を始め周囲を巻き込む。こうした経緯があるため、258は必然的に家庭問題を抱えやすい。
また土の気性は利害に絡まない気性を持つため、利害に絡むと運気を乱される。例えば親族内での金銭の貸し借りや相続に関して問題を抱えやすく、組織内では相手に利用され利害に振り回されやすい。このため258は369と特定の関係を築き、明確な方向性をもってここを進めと導かれる。
〔旺を請け負う147は連携に生きる〕
147は連携に生きるエネルギー体であり、個人技で生きていくことを不得手とする。従って既存のシステムの中で決められたことを決められた通りに行う仕事に向く。これは258の作った流れを147に継続させる役目があるからである。147は家族的連携を築き、協調性を保ち、本能的に相手の動きに合わせて動く。従って147は一人で行う作業やゼロから自分で立ち上げ独力で道を切り開こうとすると、周囲からの同意と協力が得られにくく難航する。不得手とは九星本来が持つ能力からかけ離れていることを示している。九星は特定の宮において特定の九星とタッグを組むことによってその能力を発揮する。
147は変化ラインにおいてその力を存分に発揮する。その他の宮では一面では能力発揮できても、相互の関係性においては完全な安定性を維持できるとは限らない。例えば六白金星が中宮に同会すると四緑木星は震宮に同会し、非常に良好な関係を築く。一方四緑木星が中宮に同会すると六白金星は兌宮に同会し、エネルギー的なバランスを崩す。九星それぞれが持つ能力は同会する宮との相性によってその発揮度が決まる。
〔墓を請け負う369は新旧の切り替えを行う〕
369は生旺墓の墓(終焉)に当たり、暦の中では土用の期間を含む。土用は陰陽の転換を図り、流れを転換させる。369は古く役に立たなくなった事柄や問題のある関係性を断ち切り、258の変革へと確実に繋ぐ。369は坤宮艮宮の変化ラインおよび巽宮乾宮に同会するとエネルギー的に不安定化する。これらの宮は協調性と規則性を持って動く。369は単独で動く気質を持つことから、これらの宮に対する適応力が不足する。369のこうした傾向は協調性を欠いた弱点と見ることもできるが、その裏では旧体制から新体制へ確実に切り替えるプラスの働きと見ることもできる。
また369は光と熱を発するエネルギー体であり、物の腐敗を防ぐ働きがある。369は人体においては免疫力を司り、攻撃、防御、排除の働きを担う。369は明確に意思表示する気質を持ち、物事の矛盾を突き、不要なものを容赦なく排除する。
気学における十二支とその反動による破というエネルギーは物事のメリハリをしっかりつける働きがある。この破は物事を決裂させ、人体に様々な健康障害をもたらすエネルギーであるが、矛盾したエネルギーを確実に断絶させる働きもある。369が艮宮において破を伴うと、個人レベルの重要な継承が途絶え、後任者不在となって終焉する流れができる。369は引継ぎを前提とした仕事の進め方をしない。従って369が事を始めると継承者不在となることが多い。これは369が当初から仲間と連携せず個人技で物事を進めていく経緯があるからである。これはプラスマイナス両方の意味合いがある。すなわち自分の代で確実にこれを終わらせ、後に引き継がないという当初からの意思表示があると評価することもできる。
暦が示していることは、利害が絡むことでは369に後継者を作らせず、個人技を競うエネルギーや連携しないエネルギーは暦の法則に従って確実に断絶させるということである。この断絶があるからこそ、旧体制を終わらせ、新体制の新しい運気に切り替え、258の変革に繋ぐことができる。369による断絶は安易に是非で評価することができない。これは気の世界の法則に従った深遠な陰陽調整であり、五行循環のための有効な働きと考えられる。
浅沼気学岡山鑑定所監修

