穢れの気学的考察
穢れとは気の枯れであり、エネルギーの枯渇状態と捉える。気学ではエネルギーの主体を光と捉え、その光は六白金星すなわち太陽光からもたらされる。六白金星は永久に枯渇しないエネルギー供給体であるが、六白金星の気は地球の環境条件下に入ると変性を余儀なくされる。六白金星には二つの姿がある。一つは真正の六白である。真正の六白は常に公益に徹し、自分の取り分を求めず、与える一方に回る。もう一つの六白は自分に利を引き寄せ、公私を混同し、公私の境界に迷い、本来公に属するものを自分のために用いる。これを俗世の六白と名付ける。
六白金星のエネルギーは過剰も不足もエネルギーを不安定化させ、化学的な変質変性劣化を引き起こす。真正の六白は永久に本源の気質を保ち続けるが、俗世の六白は変性し、その矛盾が法則に従って顕現する。その形は損失、放出、自己犠牲となり、六白の象意である守りの要を失うことになる。
六白金星の気質を持つ元素には酸素、鉄、ナトリウムがある。人体は酸素と鉄をATP生成に利用する。この酸素の変異体に活性酸素がある。六白における気の枯れの背景にはこれらの元素の不足と変性が考えられる。酸素の不足は生命維持に直接的ダメージを与え、活性酸素は大半の病気の原因を作る。鉄分の不足はミトコンドリアによるATP生成に影響し、生命エネルギーの枯渇に直結する。鉄は錆によって劣化し強度の低下を招く。塩を構成するナトリウムは体液浸透圧の調整、神経伝達、筋肉収縮を行う。ナトリウム不足は低ナトリウム血症による錯乱、反応の鈍化、痙攣等を招く。塩には六白型のエネルギー作用があり、代謝の活性化、熱産生、体温調整のようにエネルギー循環に携わる。これらの元素は生命エネルギーの生成やその維持に直接的に関わる。このことはエネルギー体としての六白の重要性を物語る。
六白金星の浄化力は殺菌力として現われる。太陽光も塩も殺菌作用がある。塩に殺菌力と浄化力があるということは、塩が六白金星のエネルギーを持つことを証明する。白血球は細菌やウイルスを攻撃する上で活性酸素を用いる。活性酸素の人体に対するプラスとマイナスの影響は六白のみならず、元素は環境条件とその用いられ方によって働きが変化することを示している。
六白金星は俗世から隔絶した神聖な気であり、神聖な空間、穢れのない空間、衛生空間を作る。六白が中宮にある時、風すなわち空調を意味する四緑木星は震宮に同会する。この時四緑木星は法則に従って天道を伴い、六白とのエネルギーバランスにおいて良好を維持する。震宮の四緑木星は風を意味するから空気の入れ替わりが自由にできている状態を現わす。また八白土星は兌宮に同会し、四緑木星の空調を適度に調整する。八白土星は壁の働きを担い、空気の入れ替えを行う扉となり、時に外気を遮断する壁となる。四緑木星と八白土星の配置は六白金星が本来的に空調を整え空気の淀みを無くす働きがあることを示している。また六白金星は高気圧を現わす。強い太陽光は湿気を排除し細菌の繁殖を抑える。
六白金星は生体においては免疫力を担う。それ故六白の力が弱まると免疫力が低下し、人体は細菌やウイルスに感染しやすくなる。六白の穢れは様々な災いを招く。六白は政を司り、私益を排除して公益のためのみに働く。このため為政者や一部の資本家が私欲をむさぼるようになると、政治が民の意思を反映しなくなり、民の生活は困窮し、民の貧困は衛生環境の悪化に繋がる。神仏を蔑ろにすると六白の気は乱れる。神仏を貴ぶ心は六白の浄化力を高める。六白の気の乱れは統治の乱れに繋がり、国力は減退し、いずれ衛生環境が悪化し、疫病が流行するようになる。政治と感染症流行には明確な繋がりがある。この相関関係を作っているのが六白である。このことは史実を振り返ってみれば気学の理論通りであることが理解できる。
六白金星の乱れは遠からず国家の崩壊へと繋がる。民の救済を疎かにする国家はいずれ破綻する。その働きの神髄は与える側に立ち続けること。その心は救済である。俗世に降臨する六白は暦の法則に従い、エネルギーの過剰と不足を伴う。一方真正の六白は俗世とは隔絶した世界にあり、光のエネルギーを与え続け、過不足の変動を伴わない。天道を伴う六白は光の気質を体現し、与える側に徹し、絶対的平等を維持する。真正の六白と俗世の六白との違いは明白である。国家の行く末は六白の気の状態にかかっていると言ってよい。収穫が大きければ大きいほど六白は自分のものとせず、少なきものに平等に分け与えようとする。財は大きくなればなるほど自分の手元から離れていき、私のものから公のものへと移行する。これが宇宙の絶対的法則であり、真正の六白が救済の神気であることの所以である。
浅沼気学岡山鑑定所監修

