成就するエネルギーの気学的構造

 

 

ポジティブになる時の自分とは成就するエネルギーが整っている時の自分である。ポジティブとは人をポジティブにさせる気の形と言い換えてもよい。上手くいく環境は気の巡りによって自然に訪れる。巡りくるその気に自分の持つ気が同調するのである。ポジティブな気の状態とは自分の目的と思いを自由に実践できる環境のことであり、あるいは自分の適性に合った役割がきちんと与えられる環境のことである。

 

 一方、ネガティブになる時の自分とはエネルギーが整っていない時の自分である。ネガティブな気の状態とは自分の目的と思いを実践する自由な環境が整っていないか、あるいは自分の適性に合わない役割に入っていることをいう。その取り組みにはどこか無理があり、関係者の中で合意できていない点があり、未解決問題がそのまま放置されている。ネガティブとはエネルギーの欠けが生じており、その成就しないエネルギーを自分が受け取っている状態を意味する。

 

 

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物事が成就する時のエネルギーには一白水星と七赤金星の気が必ず姿を現す。この場合の一白の気は思慮、計画、段取り、目的意識、洞察、共感、統合であり、七赤の気は喜び、楽しみ、簡略、平易、柔軟、適応、変容、合流である。七赤の喜びはモティベーションとなり、一白の思慮は一貫した目的意識となる。 

 

 後天図の七赤金星の裏側には先天の一白水星すなわち坎の気がある。一白の水が溜まると七赤の沢、海となり、一白の情が出てくると七赤は世話を焼き、施しをするようになる。情は最後には相手や状況に合わせて形を変え、物事に対し柔軟に対応する。一白と七赤の気は予測不能な現場での対応や細部の調整を難なくこなす。情は共感を生み出し、対立する気を協調へと変化させる。人間関係は常に裏側で事の成否を左右している。一白と七赤は人を繋ぎ、人を集め、周囲からの協力体制を築く。二つの気は事の成否を決める必須要素となる。

 

 

                     

 

 

気の世界は始まりが終わりの形を作る。それを思いついた時、それを始めた時の自分の気がどういう状態であったかで成果が決まる。これが整っていれば暦のスケジュールに従い成就の道へと進み、これが整っていなければいくつかの段階を経て行き詰まり、中断、決裂、破綻の道へと進む。始まりに際しては、自分の本命または月命がどういう状態であるかがその後の経過と結末を作る。

 

 本命あるいは月命のエネルギーが整っている状態とはエネルギー生成の構成要素である〔目的と思い〕が〔期待と喜び〕に直角にクロスし、自由空間を得ている状態である。この目的と思い、期待と喜びに一つの欠けもなく、吉神の後押しを得ている時である。この状態は暦に従い法則通りに巡ってくる。この形が個人におけるエネルギー成就の真の姿であり、ここに自立する「私」が生まれ、ポジティブを表現できるようになる。

 

 すべてにおいて物事を始める時は、このことに喜びはあるかと心に尋ねてみるとよい。エネルギーが整っている状態から始まることは、成就のエネルギーに守られ、最も理想的な経過をたどり結末にたどり着く。喜びは目的と思いを現実化するエネルギーである。これを欠くときは同時に心の同意、目的意識を失い、そのことに対する共感がないまま進んでいく。

 

 

                 

 

 

ポジティブな自分は自分が持つ能力を活かされる状態にある。合わない事にエネルギーを注ぐことをネガティブとし、自分がやりたいこともしくは適性があることにエネルギーを注ぐことをポジティブとする。二つの気の状態は個人的な気分と捉えることもできるが、気の循環の中で訪れる同期現象と捉えることもできる。ネガティブはネガティブな気の状態に同会するときの反応。ポジティブはポジティブな気の状態に同会する時の反応である。

 

 成就の形は気の循環の中で法則に従い生まれてくる。その成就の気に始まりの段階で同期できるか、参画できるか。それは自分が持つ気の状態で決まる。ネガティブで始まるものは未完結に終わり、ポジティブで始まるものは目的を成就させたのち次のステップへ移行し、あるいは別の人に受け継がれていく。

 

 気の流れに沿わないことは気の世界からの後押しが得られない。このため次第に気持ちが離れていく。ネガティブな状況に対しポジティブに努めようとすると、実質的には気の流れに逆らうことになる。ネガティブはエネルギーの相剋を起こし、ストレスを抱え、未解決問題を先延ばしする。その問題はいずれ表面化し中途で行き詰まる。七赤の喜びもしくは一白の共感を得られないことは、法則通り断絶の気によって未完結のまま終わる。

 

 

 

 

 

浅沼気学岡山鑑定所監修