百二話

〔7月の運気〕

 

  7月の運気のテーマは体制の切り替わりです。7月は年4回の土用の3回目に当たります。土用の一つの役割は気の流れを転換し、大小さまざまなズレを修正することです。そのために立春、立夏、立秋、立冬の節日までの間に土の気を18日間設け、陰陽転換を図っているのです。7月の人事は一種異変ともいえる意外な展開を見せます。組織の内部では責任感の強い六白金星と早急な決断を迫る三碧木星とのせめぎあいがあります。その三碧木星は六白金星とともに運気の転換点に入り、作為したことはここで破綻し、実質的なトップはここで責任を問われ解任を余儀なくされます。不正を究明する九紫火星は国民と協調して世直しを進め、国民一人一人の声を集め拡散します。この流れによって5月から勢いづいた国民の要望がいよいよ政治体制の転換へと動いていきます。8月からは2024年の運気の後半に入ります。次年度の運気は11月より少しずつ入ってきます。2024年の運気は7月に頂点に立つと言ってもよく、また土用という一つの断崖に差し掛かるにあたり、去りゆく者と再び脚光を浴びる者との明暗が分かれる月となることでしょう。

 

 

〔自己変容の2024年〕

 

 波動の違いは気学においては本命と月命が作り上げる世界の違いとして現れます。本命世界は物質世界が基準となり、形に現れた世界になります。これは物質としての質量を持つものだけではなく、例えば法律やしきたり、慣習も本命の運気に属するものです。一度形として決めると、容易には変更できないものが本命の波動に該当します。

 本命の波動は最も低い波動領域に属するため、物質化する要素が強く、一度決めると劣化し壊れるまで存続します。低い波動領域の世界は時間の流れも遅く、現実化のスピードも非常に遅くなります。我々が日々思い描く、希望や思いが形に現れるまでにはとても長い時間がかかります。これは年単位で変化していく本命の運気リズムに基づき、地球独特の低波動域の性質によって生まれてくるものです。私たちの希望や思いは高波動域に属しますが、本命の低波動域へ降りていくには物理的次元の格差が大きく、そのタイムラグによって本当に必要とされる場面に反映していないと解釈することもできるでしょう。

 一方で、この波動環境の制約はある意味で私たちの今までの波動レベルに合っていたと見ることもできます。波動環境の違いは単純に良し悪しで判断すべきものではありません。現実化のスピードが遅いということは、それだけじっくり物事を見極めながら進められたということでもあります。またなんでも思ったことがすぐに現実化する世界は、不安、恐れ、心配が現実化しやすい世界でもあり、それは多くの混乱と衝突を引き起こすことになります。さらに思いがすぐに現実化するのであれば、そこに至るまでの学びや達成感も少なくなることでしょう。

 こうしたすべての人が持つ思いや感覚をある程度熟すまで現実化しない地球の波動環境と物理的なタイムラグによって、今までの地球はある意味で秩序と均衡を保たれていたと見ることもできるのです。

 

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 その地球の波動環境が本命主導から月命主導へ、すなわち本命の低周波数域から月命の高波動域へ移行すると、私たちの人生観や生活そのものはどのように変わっていくのでしょうか。気学的には2024年からその大きなうねりの中に入り、2025年に新たな階層の世界へ移行するタイミングに入っていきます。2024年は辰の三碧木星年です。この気学的な特徴は自己変容です。その形が辰の三碧木星の形によく現れています。この形の意味するところは、価値観を司る離宮に変容をもたらすエネルギーが同会することによって、内からも外からも自分本来の形に変わっていくということです。この自己変容のエネルギーが地球の波動環境を変化させ、低波動の物質重視から高波動の精神重視の環境へ移行させる原動力になるものと私は見ています。

 2024年に起きる自己変容のエネルギーは今後の世界の様相を一変させます。それは今までのように既存の社会の価値観に自分の志向を合わせて行く世界ではありません。この傾向は特に本命環境に強く現れていました。その物質的価値観主導の本命から精神的価値観主導の月命へ軸が移り、その月命が生み出す価値観によって今までの自分を作り替えていく時代に向かっています。それが2024年から2025年にかけて起きてくることの核心です。

 2024年は大きな曲がり角になり、この曲がり角をそれぞれの人がそれぞれのタイミングとやり方で曲がっていきます。その曲がり方は様々あります。今までの本命世界の価値観をそのまま維持しながら曲がっていく人もあれば、月命世界の価値観に切り替えて曲がっていく人もいます。それはそれぞれの人が決めることであり、どちらが正しいかではないのです。

 新しい地球の波動世界はどの選択も可能という答えのない世界へ入っていきます。ですから自分の道筋は自分で作るしかないのです。自分が今はこれを選択すると思えばそれを選択した世界が現れるのです。例えそれが依然として厳しい環境条件にあり、物質的枯渇と競争にさらされ、貧富の格差が著しい世界であっても、その世界に自分が生きようと思えば、それがその人の選択となり、その人の住む世界になるのです。

 今後の地球は多次元化した世界へと移行していきます。それぞれの人の波動レベルに準じた現実がいくつも並行して現れるという世界構造になります。その中で主導権を握るのは月命がもたらす波動世界です。それは精神的価値の高いものを人々が志向する世界です。そこではぞれぞれの人が独自の価値観を打ち立て、その価値観をもとに共存していくため、今までのように一つの価値観が共通認識として通用する世界にはならないのです。

 波動が高い世界とは低い世界のような空間的時間的制約がありません。ですから競争や争奪が起きません。これらのことは形あるものに意識を奪われる物質環境の特徴から生じるものです。精神的価値を重んじる世界は物質世界の典型的な価値観である物量、財力、地位、名誉、肩書からかけ離れています。精神的充足感を重んじる月命世界は、すべての人がオリジナルの特技と才能を発揮する世界であるため、外からの評価を受けることはありません。それぞれの人が自分独自の世界を持ち、その世界観がそれぞれの人の存在を明らかにし、そのこと自体が価値を生み出す世界なのです。

 

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 月命世界が主導権を握り、月命世界に軸が切り替わると、本命世界はどのような位置づけになるのでしょうか。私たちは本命世界から脱皮し、ここから離れて月命世界の価値観へ切り替えて生きていくのでしょうか。それは違います。本命世界は月命世界にとって常になくてはならない連結した波動世界になります。つまり本命世界と月命世界は今までとは異なる関係性に変化し、双方のバランスを維持したまま、表と裏の役割が転換していくというのが私の見方です。

 本命が持つ最も重要な役割は月命に対するバックアップです。それは月命にはない物質的安定感を築くことです。この地球における物質的安定感は即精神的安定感に繋がります。本命環境の問題は変化スピードが遅く、月命の進化や発展を遅らせるという点ですが、一方で月命の変革スピードにブレーキをかけ、安定感を乱す変化を抑制し調整するという働きがあります。よき伝統は社会の安定を築きますが、良き伝統とはその多くが本命環境に属するものなのです。本命の本来の役目は月命の安定化であり、足を引っ張ることではないのです。月命は本命による下支えと調整がなければ地に足を付けることなく不安定なまま彷徨うことになります。

 

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 本命世界は月命世界の生きがいを物質的環境からバックアップすることで、月命世界の願いをより盤石にし、波動法則に適った本来の役割を果たすことになります。本命のゆっくりとした時間的空間的な動きは、月命世界を安定化させるために貢献しているのです。

 これを建物に例えると、本命は土地と家であり、その住環境になります。月命はその家に住む人の営みに相当します。つまり家と家を取り巻く住環境が本命世界で整備され、その中でそれぞれの人が自分の価値観に基づく月命の生活を営んでいくのです。それが本来の本命と月命の関係性です。

 こうして本命世界による月命世界の役割は本来のスタンスに戻り、上部構造と下部構造が波動法則に適った形で連結します。そして本命世界による月命世界への制約的な干渉は終わり、本命本来の役割に戻り、月命世界を拡張させるためのバックアップに徹していきます。

 本命と月命はすべてにおいてバランス関係で成り立ちます。そのバランスは波動の低い環境が波動の高い環境を下支えし、全体を安定化させるというスタンスです。それが今年から地球に起きる波動環境の変化であり、地球に住む我々の自己変容の姿になるのです。

 

 

 

 

浅沼気学岡山鑑定所監修