百八話

1月の運気〕

 

 20251月は暦としては2024年最後の月になります。117日から土用に入り、旧年の流れを止め、新年の流れがゆっくりと始まり、2月3日(23:10)をもって2025年に切り替わります。

 1月は三碧木星が中宮に入り、前年4月の三碧木星中宮の出来事を再現する形で現れます。前年4月を自己変容の始まりと位置づけすると、1月は旧体制から新体制への切り替わりとなります。1月の運気のポイントは二つあります。

 一つは369すなわち三碧木星、六白金星、九紫火星が運気の変化ラインに並び、確実に旧体制を終わらせ、新体制に切り替えること。この切り替えの中で人事において重要ポストの入れ替わりが起きます。

 もう一つのポイントは五黄土星が世論形成に最も影響のある兌宮に同会し、さらに天道というエネルギーを伴い活性化することです。五黄土星はゼロから作るエネルギー体であるため、人においてはその人しかできないこと、その人しか言えない表現として出てきます。1月の五黄土星はまさに世間の人が言ってほしかったことを不特定多数の人がそれぞれの持ち場で発言するようになります。その表現は圧倒的な説得力で人々の心に訴えかけ、時代の運気を一気に切り替える可能性があります。

 

 

〔2025年にやってくる六白金星天道と七赤金星天道〕

 

 2月の立春以降にやってくる2025年の運気は六白金星が離宮に同会し、また七赤金星は坎宮に同会し天道を伴います。天道とは天の道でありエネルギー成就の筋道です。天道には通常得られない強力なエネルギーが入ります。これは地球における低次元の周波数とは異なり、非常に高い次元からもたらされる高周波数になります。従って天道は俗世の出来事の影響を受けず、むしろ俗世の強欲や迷いごとを消去する力を持ちます。気学では天道は災いを消去しその人本来の能力を開花させるエネルギーと捉えます。

 2025年の六白金星天道と七赤金星天道は、双方の九星の組み合わせに非常に強い意味が込められています。いずれも五行の金であるため物質と富を象徴とする九星と捉えがちですが、離宮と坎宮は物質的なものを現わすのではなく、高次の精神性を具現化するエネルギーとなります。また離宮と坎宮は外部の出来事ではなく自分自身の内面の出来事であり、その内面から湧き出てくる精神性を現わします。これは本来の自分に戻ること、そのことによって天道のエネルギーを得られることを物語っています。離宮の六白金星は六白本来の位置であり、これを気学では先天と言いますが、ここに六白金星本来の姿が宿ります。真正の六白金星は俗世から隔絶し、私欲を一切持たず、与えるのみに徹します。六白金星はすべてのものを分け隔てなく救う役目を持ちます。太陽が放つ光も六白金星のエネルギーです。この世で最も高貴な光は自他の境がなく普遍性と平等性をもたらします。

 2025年の金のエネルギーとは本来我々が持っている“与えても尽きないエネルギー”を取り戻すことをも意味します。与えても尽きないものとは物質的なものではなく精神性からもたらされるエネルギーであり、有限ではなく無限のエネルギーです。この地球では物質的視点で物事を捉えると全てが有限に見えます。限られた資源、限られた富、限られた体力、限られた知識、限られた生き方です。天道は物質的価値観を精神的価値観へ高め、個々人の持つ天性を無限大に引き出します。人は天道を得て初めて高次元のエネルギーを取り入れることができます。天道とは運気の好転を助けるだけのエネルギー体ではないのです。天道は宇宙の普遍性と永続性をもたらすエネルギーであり、現世の迷いごとや悩み事から我々を解放する高次のエネルギーでもあるのです。

 2025年の天道は六白金星と七赤金星にもたらされますが、このエネルギーは六白金星及び七赤金星生まれの人にのみもたらされるエネルギーではありません。これは地球に生きる生命体すべてが享受するエネルギーです。六白および七赤の天道は私欲からかけ離れています。金のエネルギーは本来的には与えるエネルギーです。それは与えても尽きないものです。自分の中にある“与えても尽きないもの”とは何なのか。それを考え、思い出し、それを表現することが2025年のテーマとなるでしょう。

 

 

〔真理に対する探究心のみがその人の地位と名誉を保証する〕

 

 地位と名誉が何の役にも立たなくなるという時代がもうすぐ来るかもしれません。そんなことが起きるはずがないと思うかもしれません。ですが今までとは全く異なる価値観に自分自身が移行した時、今まで価値ありと信じていた地位と名誉は関心の対象にすらならなくなるでしょう。地位と名誉は既存の価値観が保たれていて初めて成り立つものです。仮に既存の学問の体系がはるかにレベルの高い学問と知識と技術によって覆されたとき、私たちは今まで信じて疑わなかった知識と観念をどのように受け止めることでしょう。既存の学問、学識とはあくまで今生きている世界あるいは今生きている地球で通用することであり、宇宙の別空間や別次元で通用するとは限りません。

 気学では坎宮、艮宮、巽宮と成長の段階を進み、離宮で一つの頂点に達します。離宮は目覚めの宮であり、自己再発見の宮でもあります。価値観を作る離宮では他人の価値観が通用せず、自分自身の価値観を構築する必要があります。これをもってはじめて自立が可能となり、他人が作った価値観から脱却します。

 世の中における本当のことは自分しか分かりません。他人から教えてもらうことはできません。世界の真理、宇宙の真理は各々の人が独自に掴むものです。それは本当のことを掴もうとする探求心から生まれます。何かに合わせるのではなく、何かに従うのではなく、何かに頼るのではなく、自分自身の内から湧き上がってくる思いが天と直接つながることによってはじめて得られるのです。

 2025年の離宮に位置する六白金星とは本当の地位と名誉を保証するものです。それは精神性の輝きであり、時代が変わっても永久に変化しない価値あるものです。外から与えられた肩書、地位、名誉は物質世界の価値観によって保証されるものです。それは有限であり、ほとんどの場合時代が変わると通用しなくなります。真正の六白金星が現わす普遍性はどの時代どの場所においても変わらず通用し恩恵を得られるものです。

 

 

 

 

浅沼気学岡山鑑定所監修