百五話

202410月の運気〕

 

  10月は六白金星が暦の中央に入り、一白水星とともに世の中を一つの方向に統制します。一白水星は五行の水ですが、南の天井に上る時は水蒸気となり、これが密雲となって地上に降り注ぐ雨となります。南の一白は人においては情。南の理知的決断に情が加わり、情状考慮となります。人は理論や知識だけで物事の正誤を判断すると、最終的には人はついてこないということでしょう。やはり人は情をもって納得するのです。六白金星は情をもって平等性を現わします。

 一方9月から世の中を混乱させている五黄土星は9月に引き続き10月も破を伴います。五黄は常識に納まりきらないエネルギー体であるため、予想外のことが起きるという傾向が現れます。その五黄が社会常識の強まる巽宮に入るため、社会や組織の常識を覆す方向へ進みます。巽宮は主従関係、契約、既定路線の宮であるため、既定路線として進んでいたことが利害のために突然破綻することも起こりえます。六白は利害を嫌い、利害で動かない九星でもあります。

 今月の気の形が示すことは、既定路線は破綻し、新たな長期目標を掲げたものが世の中を導くということです。10月と11月のちょうど節目にアメリカ大統領の選挙があります。10月は真の政治理念を示すことがテーマとなり、11月はいよいよ行革の遂行がテーマとなります。11月から世界は一段とスピードアップして動いていきます。

 

 

〔評価しようのないものが今後の世界を創造する〕

 

  地位や名誉や肩書は形に現れたものであり、その最終系は物質化の形をとります。これが本命特有の物質環境であり、価値評価の基準は今までは本命に主導権があったといってもよいのです。けれども地球の波動環境には本命、月命、日命という三つのパターンがあり、この価値評価の主導権がより高い周波数の月命に移行すると、価値観の変容が起こり、今までの価値評価が通用しなくなります。そのタイミングを私は2025年と見ています。これ以降3年ごとに変容は段階を経て進み、2031年には一つの完成を見るものと思われます。

 三つの波動環境はそれぞれ独自の表現方法を持っています。本命は目に見える物質の動きを表現し、月命は精神の動きを表現し、日命は感覚の動きを表現します。地球の波動環境は3つの波動環境によって成り立ち、下部構造の本命が月命を支え、月命が日命を支えるという階層構造になっています。また3つの波動環境はそれぞれが交差する領域を持っていると思われ、完全な分離ではなく、薄くつながる部分を通して分離を防ぎ、相互に依存しながら協働しているものと私は捉えています。

 本命の価値評価はその成果を形に現わしたものが評価の対象でした。その結果、価値ありと見なされると、地位・名誉・肩書・報奨が与えられます。これらのものは形ある物質世界に属するものです。従ってその価値は時代を超えて通用するとは限りません。物質世界の根本的な特徴はいずれその形は劣化し目の前から消えていくということです。物質世界はいずれ消滅していく幻想の世界と言えるのです。価値を決めるのは本命世界の特権ではありません。今までは本命世界がこれを牛耳っていたところがあり、本命世界で認められないものは価値として認められないという傾向がありました。今まで無数の芸術的創造的作品が世界のあちらこちらで生まれたはずですが、誰の評価も受けないまま消えてしまったものが数多くあったのではないかと思います。

 時代を動かす軸が本命環境から月命環境へ移行すると、価値観も月命環境の価値観に移行していきます。月命環境の価値観とは外形に現われるものではなく、内面の動きや内面を動かすエネルギーそのものに意識が向いていきます。例えば音楽を例にとってみると、評価が高い表現とは伝統を踏まえたスタイルとなり、その人の感性から出てくる独自の表現は評価の対象外となります。今まではこういった独自性は“理解に苦しむ”あるいは“そのような表現は認められない”と反応されたかもしれません。けれども月命時代の価値観では、逆に今まで教えられてきた固有の表現方法や解釈はもはや力を失い、“その表現方法はあなたのものですか”また“あなた自身から湧き上がってきたものですか”と投げかけられるようになります。聴衆はもはや型にはまった表現方法を望まず、その人独自の表現や感性や鼓動を聞きたいと思うようになるのです。その時、本命環境が形成してきた権威・地位・肩書は何の役にも立たなくなるのです。

 月命世界の表現とは枠にはめられないということです。その分、自分という核が定まっていなければ、誠に空虚な表現に陥ってしまうのです。自分固有の表現を打ち出すことだけが世に訴え、人の心を動かすようになるのです。ここには模範解答もノウハウもありません。価値判断の基準はすべて個々人の内面によってなされるからです。誰かの心を動かしたものが価値ありなのです。その人固有のものが表に出てきた時が価値ありなのです。これはいったい何の役に立つのか、と今までいぶかしく思われたものこそが価値ありとなるのです。

 学校で教えられてきた価値観はそのほとんどが本命環境に属するものです。その他既存の知識もそのほとんどは本命環境で認められているものです。その価値評価がおそらく2025年以降逆転していきます。今まで絶対的に価値ありと認められていた常識がことごとく疑われる時がやってきます。その時慌てふためく人、道に迷う人は本命環境の価値観に身をゆだねて生きてきた人でしょう。その一方でようやく自分の時代がやってきたと光を見る人は月命の精神を軸にして生きてきた人です。翌年に起きることは前年の11月から徐々に始まります。2025年という節目の年、私たちは同時に月命時代への転換を迎えることになるのです。

 

 

 

 

 

浅沼気学岡山鑑定所監修