艮宮 丑の刻 寅の刻
艮宮 丑の刻(午前1:00~3:00)
寅の刻(午前3:00~5:00)
天道と結びつく九星
〔147〕
147は副交感神経を活性化させ緩和・安寧・休息をもたらす。丑寅の刻の境目でエネルギーが下降から上昇に切り替わる。147は坤宮中宮艮宮において家族的連携を築く。147は陰陽の切り替えを途切れなくスムーズに行う。
破と結びつく九星
〔258〕
258は艮宮中宮坤宮の変化ラインに同会し陰陽の転換と調整を行う。このため方向性が一貫せず連携が乱れやすい。艮宮における258の破は丑ではなく寅に現れる。丑は留まり寅は動く。土は動きに弱い。寅は準備不足で新たな方向へ進み、申は守りを怠って新たなことを試みる。
〔369〕
破は丑と未に現れ、自律神経の切り替えを阻害する。369の過剰は気の断絶を作る。
暗剣殺と結びつく九星
〔二黒土星〕
艮宮は方向転換を促すが、二黒土星は同じ形を継続しあるいは事を終了させる。暗剣殺は同会する九星とその宮の方向性が逆行することによる混乱を現わす。
〔解説〕
丑寅の刻については丑の刻と寅の刻に区分し、それぞれの働きを明確に理解しておく必要がある。丑は五行の土。土は鍛錬・忍耐・労苦を伴う。子の発生から丑の分化に至り、依存から自立へと子供の成長を促す。遺伝的素質を引き出しながら生活環境への順応を確実にする。この段階では未だ自立する力に乏しく、その基礎的技術を親から習得する段階にある。艮は手すなわち技術習得を意味する。また艮は「退く」を意味する文字でもあり、原型・伝統に戻る働きを担う。艮宮の丑は伝統に戻り伝統を引き継ぎ、寅は丑の伝統・旧態から離れ新しい方向に進んでいく。このため丑と寅の間で進行方向が逆転し亀裂が生じる。
丑寅の境界を鬼門というが、気学が鬼門を警戒する所以はここにある。丑寅の境界は時刻では午前3時に当たり、この時刻前後は特に生体のエネルギーバランスが崩れやすくなる。このため丑の刻前後は睡眠状態が望ましく、寅の刻に至り日の出に準じて起床し活動に移行していくことが本来の生体リズムと考える。
258は土の陰陽転換の働きがあり連携を不得手とする。このため丑寅の引継ぎを不安定化させる。丑の継承に対して未は完遂に向かい、寅の進展に対して申は再生へ動く。丑と未は逆転した気質を持つ一方、丑も未も同じことをいつまでも続け、同じ体制に拘り続けるという共通した気質もある。このため結果的に後継者への継承が途絶えるという特徴が現れる。寅と申は双方旧態から離れ新たな運気を取り入れようとする。二黒土星が中宮に同会すると坤宮の八白土星に暗剣殺が生じ、八白土星が中宮に同会すると艮宮の二黒土星に暗剣殺が生じ、本来の役目と逆のことを強いられる。五黄土星中宮において二黒土星と八白土星は定位に戻るが、寅と申のエネルギーが過剰になると破が生じ、連携が乱れる。未と丑は留まることによって安定し、寅と申は動くことによって不安定化する。土は動きがあるところに弱い。総じて258は環境変化に弱く、艮宮中宮坤宮の変化ラインへ同会すると不安定化する。
369は交感神経を活性化させる気であり、通常就寝の時刻となる丑の刻には適さない。369は光を放つエネルギー体であり、地下あるいは夜間では本領を発揮しない。369は丑の刻の気を剋し、日が昇る寅の刻より徐々に力を発揮する。369の天道は太陽の活動が活発化する震宮・巽宮・離宮において規則的に生じ、369の破は太陽の活動が衰退する坤宮・兌宮、夜間の乾宮・坎宮・艮宮において規則的に生じる。369の破は丑未において規則的に生じ寅申には生じない。369は寅申の進展の気に与し、丑未の滞留・後退の気と相剋する。
浅沼気学岡山鑑定所監修

