銅 Copper Cu
銅は橙赤色の金属であるが、風雨にさらされると青緑色に変色する。元素の色は九星の色と必ずしも一致するとは限らないが、橙赤色は七赤金星の色に近く、銅の緑青は三碧木星の紺碧と四緑木星の緑の中間色に見える。
銅は生体においては筋肉、骨、肝臓に多く存在し、これらの臓器は震宮すなわち三碧木星の気質に属する。また銅は亜鉛と拮抗する性質を持つ。拮抗は対冲にある九星同士の拮抗と、同じ九星同士が張り合う拮抗の二つの現れ方がある。亜鉛を三碧木星または四緑木星の元素とした場合、対冲関係による拮抗と見なすと銅は七赤金星または六白金星の元素となり、同じ九星同士による拮抗と見なすと、銅は三碧木星または四緑木星の元素となる。銅は比較的九星の気質が見えにくく判断しづらい面があるが、総合的には三碧または四緑の気質が現れているものと考える。
〔反磁性体〕
銅は反磁性体である。反磁性とは磁場をかけた時、物質が磁場の向きと逆方向に磁化され反発する性質である。この性質は震宮における一白水星(暗剣殺)に現れる。坎宮の一白は強い磁力を持つが、一白が坎宮と90°角の震宮に同会するとその磁力に反発して打ち消すように動こうとする。一白水星暗剣殺は震宮において磁場が緩められた状態を現わす。反磁性は震宮を定位とする三碧木星の特徴として捉えることができる。
〔酵素の構成要素〕
三碧木星は七赤金星と対峙し代謝全般を司る。銅は酵素の構成要素となり、エネルギー産生に関わる。銅は血管を正常な構造に保つ酵素の働きを助ける効果があり、動脈硬化や心筋梗塞を予防する。一白水星を血流とし、三碧と一白のバランスが取れている状態を血流、血圧、心筋の安定と見る。また四緑木星は心機能を司る六白金星の働きを整え、六白の過剰を抑える。
〔銅と鉄の関係〕
銅には赤血球のヘモグロビンに鉄を渡す働きがある。このため銅が欠乏すると鉄欠乏による貧血を招く。一白水星(赤血球)と六白金星(鉄)は互いの力関係により結合と離脱を繰り返す。四緑木星は六白金星の働きを引き出す補助的な役目を務め、一白と六白との関係を整える。
〔銅欠乏の症状〕
銅が欠乏すると貧血、白血球の減少、毛髪の色素脱失、骨の異常、成長障害、筋緊張低下、易感染性、コレステロールおよび糖代謝、心血管、神経系の障害が現れる。これらの症状の多くは震宮における一白水星暗剣殺あるいは一白と三碧との関係の不安定化からもたらされるものと考えられる。また一白水星の不安定化は六白金星の障害に派生するため、心血管の障害および免疫力低下による感染症に繋がる。毛髪への影響は三碧木星および四緑木星の欠乏と考えられる。三碧が欠乏すると早期の離脱症状が現れ、四緑が欠乏すると総じて持続力、伸長力、繁殖力が弱くなる。
一白水星暗剣殺とは三碧木星と一白水星の繋がりが不安定化する現象であり、その現れ方としては三碧の過剰による一白の欠乏、または一白の過剰による三碧の欠乏が考えられる。さらに一白が中宮に入ると三碧は兌宮に同会してその動力を抑制され、坎宮において鉄の気質を持つ六白金星と歩調が合わなくなる。
〔銅過剰の症状〕
銅の過剰症では肝障害、神経障害、意欲低下やうつなどの精神障害、関節障害、不随意運動が現れる。いずれも三碧木星過剰から派生する症状と考える。三碧が中宮においてエネルギーが過剰化すると、これに連動して震宮の一白水星が不安定化し、一白の障害と三碧の障害が連動して現れる。また一白は情感をコントロールし、身体の運動機能を制御するため、震宮における一白の不安定化は精神障害、神経障害、運動障害に繋がる。
〔銅過剰による農作物への影響〕
銅含量が高い土では根の伸長が妨げられ生育が抑制される。また土壌のPHが下がるなどの報告がある。三碧木星の過不足は地中において障害を起こしやすく根の成長を妨げる。PHについては一白水星より三碧木星が強くなると酸性化し、三碧より一白が強くなるとアルカリ性へ傾くものと考える。
〔銅を含む食品〕
銅を含む食品としては魚介類、肉類、豆類、種実類などがある。特にレバー、ココア、えび(さくらえびの素干し・煮干し)に多く含まれ、緑茶、白米にも微量に含まれる。レバー、えびは三碧木星に属する。
浅沼気学岡山鑑定所監修

