『ベルガマスク組曲』と亥卯未の三合

ドビュッシー 18628月生まれ。

本命 戌 三碧木星   月命 申 八白土星

 

第1曲「前奏曲」   ヘ長調    F(亥)

第2曲「メヌエット」 イ短調    A(卯)

第3曲「月の光」   変ニ長調   C♯(未)

第4曲「パスピエ」  嬰ヘ短調   F♯(子)

 

「月の光」で有名な『ベルガマスク組曲』は調性の配置によって響きの連続性を感じ取ることができる。その理由を気学的に分析したい。

 

音楽は波動の法則を最もよく表す芸術であり、これを理屈抜きにして直感的に感じ取ることができる。ドビュッシーは特にこのことを意識して作曲していたのではないだろうか。ドビュッシーの本命十二支である戌は十二音のホ(E)に当たり、月命十二支である申は十二音のニ(D)に当たる。この組曲の注目すべきところは調性に亥(F)卯(A)未(C♯)の三合音がすべて含まれ、しかも気の法則通りに並んでいることである。11月(亥)に生じた気は翌年の3月(卯)で旺盛となり7月(未)に終息する。この気の循環とリズムを生旺墓という。三合は十二支を円形状に並べた時ちょうど正三角形になる組み合わせであり、波動が最も安定的に共鳴する。

 

ヘ(F)の音はイ(A)に対し動機を与える音。その動機とは物質面、精神面双方に及ぶ。AはFの励ましとバックアップを得て何の不安もなく進んでいける。第1曲「前奏曲」ヘ長調は“あなたが思うように歩みなさい”と背中を押す音。これに対し第2曲イ短調はヘ長調の後押しを得て、短調の陰りはあるが自分の思いをストレートに表出する。Aと言う音は空間に最もよく浸透し、不特定多数の人の胸に最も強く響く音。第3曲「月の光」C♯は浄化をもたらす音。Fを父親とするとAは子供。C♯は母親となる。C♯の波動は大地、母性、庇護、終息、原点回帰を意味する。第4曲「パスピエ」は亥卯未の三合から外れるが、ドビュッシーの月命申の三合音となる。月命は精神性、音楽性が最も現れる波動である。

 

第1曲から第3曲は亥卯未の三合によって波動の調和が完成し、第4曲は作曲者自身の月命三合音で締めくくる。子は生命が誕生するところであり、母体のC♯(未)から誕生のF♯(子)に繋いでいる。ベルガマスク組曲は十二支三合と十二音との繋がりを見事に現わした名曲である。

 

最後にドビュッシーの独創性の原点について触れておきたい。戌の三碧木星は非常に個性的で名だたる芸術家が並ぶ命運。この命運の特徴は奇抜な発想と着眼点の面白さである。ドビュッシーの曲想の面白みはまずここから出てくる。申の八白土星も音感の優れたアーティストが多い。特にこの命運は音感と色彩感覚に優れ、多彩な音色を作り出す才能に秀でる。常識やしきたりから逸脱し、自分独自の美意識を持つ。ドビュッシーは構成よりも七赤の面白みと四緑のイメージ、雰囲気、色彩感覚を追求した作曲家と言えよう。

 

 

 

 

浅沼気学岡山鑑定所監修