アルミニウム　Aluminium　Al

アルミニウムは総合的に一白水星の気質を持つと考えられる。一白水星と三碧木星は強い相補性を持ちながらも、バランスを崩すと互いの欠点を旺盛に引き出すという特徴がある。またアルミニウムは製造に多量の電力を要する。一白水星は多量の六白金星のエネルギーを活用し犠牲にする性質を持つ。このことからもアルミニウムが一白の気質を持つことを確認することができる。

〔カルシウムとの拮抗〕

　植物の細胞壁ではカルシウムが吸収される際、アルミニウムがカルシウムと拮抗するように働くと言われる。一白水星の気質を持つ元素同士は対立と相補性の双方に働く。特に震宮においては一白同士の拮抗が現れやすい。

〔アルミニウムの毒性〕

アルミニウムとアルツハイマー病との関係については現在否定的見解が示されているが、一白水星は代謝が活発化する震宮においてその用途と量および頻度を誤ると特有の障害を引き起こす。気学の見解では認知症全般において一白の不足または欠乏が見られる。一白水星は記憶を司るため、一白の気質が不安定化した状態が継続的に起きる場合は認知機能に障害を及ぼす可能性があることを認識しておく必要がある。

〔骨の脆弱化と筋肉の萎縮〕

アルミニウムの過剰な蓄積は骨の脆弱化と筋肉の萎縮硬化を引き起こすばかりでなく、腎不全による貧血を悪化させ、精神神経障害にも及ぶと言われる。萎縮・硬化は一白水星が持つ基本的気質であり、この経緯も震宮における一白水星の動きとして捉えることができる。特に震宮の一白水星は骨の強度と筋肉の動きを司る三碧木星と非常に強い相補関係を持つ。一白は腎機能を担うため一白の不安定化は腎機能の低下に繋がる。震宮の一白は用途・量・頻度・タイミングが適正であれば有益となり、これらの条件が著しく偏れば有害となる。元素における無害説と有害説の対立は、暗剣殺による予測不能な動きが背景にあると考えられる。

〔制酸剤と清涼剤の働き〕

アルミニウムは医薬品としても使用され、水酸化アルミニウムは胃酸を中和する制酸剤の働きがある。震宮における一白水星の働きの中にPHの調整がある。三碧木星を酸性と考えると、一白水星はその制御に向かうためアルカリ性に傾かせる働きを持つと考えられる。水酸化アルミニウムは水の清涼剤として浄水場などで汚染物質除去に用いられる。震宮の一白水星には解毒作用があり、有毒な金属を付着させて排泄する働きがある。

〔アルミニウムイオンと植生の成長阻害〕

アルミニウムイオン（AI³⁺）は酸性土壌で溶解し、植生の根の伸長を強く抑制する。特に根の先端部分において細胞分裂の停止が見られる。一白水星による成長阻害は特に震宮において現れやすく、また震宮は外界の影響を直接的に被る。同じ一白の気質を持つカルシウムは植物の細胞分裂と根の伸長の制御に関わることが分かっている。この場合同質の一白気質を持つカルシウムとアルミニウムが同じ場所に同居すると拮抗し、一方の働きを阻害することが考えられる。これは震宮の一白における特有の現象である。震宮は不特定多数のものが集まり、同質と異質のものが同じ目的に用いられることがある。同じ一白の気質を持つもの同士でも、六白との結束が強い一白と、三碧との結束が強い一白がある。三碧と六白は相剋の関係であり連携を乱すことがあるから、同じ一白の元素でも相剋の気質が現れる可能性がある。

〔根の伸長に対する影響〕

アルミニウムイオンの影響によって根端が縦の重力方向ではなく、横に伸長するという実験結果がある。この現象も震宮の一白水星特有の動きとして理解することができる。後天図における坎宮は地球の重力方向にあり、重力方向に対して90°角となる震宮は重力の影響を最も受けにくい。震宮の一白は本来重力方向へ動く水が横流れする形を現わしており、同時に根が横に伸びて水分と養分をより直接的に受け取ろうとする動きとして捉えることができる。この現象はアルミニウムイオンが震宮における一白の特徴を発揮し、根を横に伸長させたものと考えられる。

＊参照文献：化学と生物 Vol. 38, No. 7, 2000

「酸性土壌で発現するアルミニウムストレスに植物はどう応答するか」P453

　図１.コムギ根端のアルミニウムストレスによる細胞形態の変化

〔アルミニウムを含む食品と添加物〕

　アルミニウムは土壌、水、空気中にも存在するため、土壌から得られる野菜や穀類、海の魚介類にも微妙に含まれる。このほか膨張剤、色止め剤、品質安定剤などの食品添加物にも含まれる。食品添加物は総じて九紫火星暗剣殺に該当すると考えられるが、一白水星暗剣殺においても一白の気質を持ったものを人工的に加える形がある。総じて暗剣殺は人工的に手を加えた状態を示しており、陰陽五行のバランスを崩し生体に障害を及ぼす可能性がある。一白水星暗剣殺が生体に及ぼす影響はプラスマイナス双方に分かれ、用途、量、頻度、タイミングを誤ると毒性が現れる。

浅沼気学岡山鑑定所監修