2026年8月

20268月〕

 

  7月20日から始まった土用が終わり、2月より始まった2026年後半がいよいよ始まります。土用がもたらす陰陽転換は世の中の流れを大きく方向転換させる働きがあります。7月は十二支の未であり、未は締めくくる月であり、解体し初期化する働きでもあります。8月の申は解体後の再生を担うエネルギーです。何かを新たに始めるには、何かを終えなければならない。気の世界は陰陽のバランスを取るために、一定のリズムで新旧交代を図るのです。

 8月は二黒土星が中宮に入り、申(8月)の気が旺盛になるため、反対(対冲)の寅に破という障害が及びます。さらに8月は寅の波と五黄土星が同会するため、五黄の無秩序な動きと破の破綻のエネルギーが重ね合わさり、都市を繋ぐ交通手段、交易ルートの封鎖、これに加えて物事の継続性、仕事の手順や引継ぎなどが揺さぶられ乱れが生じます。機材を使用する仕事や綿密なチームワークが要求される仕事においては、8月はいつも以上にチェック体制の強化が必要となります。

 暦を見ると、この傾向が生じる背景に八白土星の不調があります。八白土星は6月から本来の役割を発揮しがたい流れに入っています。この流れは10月まで続き、11月にようやく自らの立場を明らかにし、改革に乗り出すことによって、この流れを断ち切ります。

 土は地面あるいは地下に在って初めて本来の役目を果たします。土は形が不定形であるため、重力に準じて地面より下の場所、且つ動かない場所において能力を発揮します。つまり二黒土星・五黄土星・八白土星というエネルギー体は、地道な歩みを離れ、理想を求めすぎると、地盤を失い崩落します。

 これら三つの九星を持つ人は、足元(地面)を見ない生き方に最も弱いと言えます。土は動きがない場所で固められ力を発揮しますから、世の中が激しく動くとき、あるいは地に足が付かない架空の数値や理想を追いかける中では、立ちどころに土砂崩れが起き、基盤を失います。

 土は地面または地盤を固めてこそ重鎮としての役目を果たします。理念や夢を掲げて世の中に貢献するという生まれの人もいます。その一方で地面に常に足をつけた生き方をしなければ基盤を失う生まれの人もいます。気学はその人それぞれの命運に合わせた生き方をその時々に応じた道筋を解くのです。

 一方、8月は七赤金星が天道という能力活性化のエネルギーを得て、水面下から世の中を支え動かします。七赤金星の天賦の才能は誰も考えが及びつかないような発想、話術そして機転です。誤った道筋を強引に進む世の中に対し、全く異なる角度から七赤金星は遠くを見据え、プランを打ち出します。その表現力と機転が世事の混乱や難事を救います。

 中宮に入った二黒土星には既存の成果や価値を解体する役目があります。そして二黒土星は国民の意思を反映します。物事の継続を司るエネルギーラインに亀裂が入り、五黄土星がかき回す中、8月の二黒土星は七赤金星の知恵を得て、強欲に我が意を推し進めようとする世の中をゼロベースに戻します。

 

 

 

〔自らを満杯にしない気が自分も他人も安泰にさせる〕

 

 七赤金星とは喜び、癒し、励まし、許しの気です。七赤金星は八卦の兌から派生したエネルギー体で、形は欠けた形、不測の形であり、また放出する水の形、地下水を溜める沢の形でもあります。この形が意味するところはいつも自らを完全にせず、満杯にしないということです。七赤金星という器は常に七分目くらいに収まっています。それ故、その時々の増減に対応できるのです。満杯に溜まれば三割放出し、放出した水は地下水あるいは地上から降り注ぐ雨でまた満杯になります。この器の形に恵みの出入りの原理が働くのです。

 2020年に七赤金星が中宮に入り、世界は急速に様相を転じました。そして2022年から始まった七赤金星天道の流れは、今後の宇宙が七赤金星を中心テーマとして回っていくことを示唆していました。この流れは今確実に強まっています。

 七赤金星の時代とは何でしょうか。この視点は二つあります。一つは本命の七赤金星の視点。もう一つは月命の七赤金星の視点です。本命は物質環境が現れますから、衣食住という生活基盤の充足です。月命は精神性を担いますから、安心感と生きがいとともにある人生の充足感です。

 物質基盤の七赤金星は自分の取り分を満杯にせず、周囲と分け合い、共有し、横のつながりを作り、不足と余分を交換し合います。この方向転換が今後の物質文明に起きます。今後、その国や地域や家を盤石にするものは、競争に勝ち抜く人や国にはなく、横に繋がった不特定多数の人々の連携力によって形成されていきます。このネットワークが互いの余分を出し合い、不足を補い合うことによって、富の格差がなくなり、無意味な競争や争奪がなくなっていきます。

 七赤金星のもう一つの特徴は物と物の交換、事と事の交換で完結するということです。つまり今までのような貨幣を必要としない交換方法、サービススタイルが七赤金星によって形作られていきます。従って、局所的に偏る蓄積や力量はこの七赤金星の時代には役に立たなくなっていくのです。

 七赤金星が求めることは徹底した利便性であり、誰にでもいつでも使えること、そして交換・共有できるスタイルです。振り返ってみれば、この七赤金星のスタイルは既に世の中に浸透し始めています。その人ができることは必ず七赤金星のエネルギーに転換されます。それは形に現れる物でもよいし、形に現れない気遣い、励まし、慰め、笑いなど、他の誰かの心が満たされ安らぐことであれば何でもよいのです。

 今後、仕事という概念は七赤金星の時代とともに変化していきます。今までの仕事とは物理量を必然的に求められ、勤務時間、勤務場所が生じ、肩書、資格、成果、報酬、実績、責任、義務、罰則など、気学的には本命の固定化された形式に縛られ、本当の意味でのその人の好さが十分に発揮できない仕組みになっていました。この世界が既に崩れ、既に世の中には既存の価値では進まない人々の和ができつつあります。

 七赤金星の時代に移る条件は、まず自らが七赤金星の心を持つことです。いかなる事態が起きようとも、いかに物事が詰まっていようとも、いかようにでもしてしまう七赤金星の立ち回りは、世の中をゆったりとした空間にし、自らが余裕を持ち、周囲にも余裕を持たせることに繋がっていくのです。張り詰めた世の中にしないという七赤金星の七分目の心は、世の中全体に余裕と受け入れのスペースを作ります。

 この余裕は人それぞれの特徴を表に出す機会を作り、人それぞれの才能を開花させていきます。人が一番良い仕事をする時は、その人が一番リラックスした状態に戻っている時です。それが才能発揮の基本条件です。

 七赤金星の時代とは利便性の時代という表の現象のみならず、その人の本当の才能を開花させるという役目があります。この七赤金星の心こそ、世の中を居心地よい空間にしていく真の原動力となるのです。

 

 

 

 

浅沼気学岡山鑑定所監修