2023年の動向

2023年(癸卯・四緑木星)の動向

 (2023年2月4日以降)

 

 

〔癸〕

 

癸は五行水の陰気。水と土の境界に位置する十干で、生まれた生命が自意識を持ち始め、親との関係性、社会との関係性を意識し始める段階の気である。人間でいえば小学校に入る直前の発達段階である。自分という存在を意識すれば、意に叶わないものに対して背く性質が生まれる。癸は睽(そむ)くに通じ、自他の区別を認識し始めると同時に外界に対する警戒心と反発心が芽生え始める。癸は自意識を強く持ちながら、他人や社会との協調性を図っていく出発点となる。2023年は自意識を持ち始めた国民が既存の社会システムに背くようになる。

 

 

〔卯〕

 

卯は五行木の陰気。寅の改革気運が表に現れ、生活レベルに浸透する。卯はものが裂ける形を表す。地震でプレートがずれ地面が裂けるように世情を混乱させる。実際、卯年は地震や突発的事故が発生することが多い。卯の四緑木星年は震宮に二黒土星、兌宮に六白金星が入り六白に破が伴う。六白は国家、政府、金融を表すため、政治、金融、経済に波乱が生じ、国民はその煽りを受け、全般的に倹約を強いられるようになる。二黒土星と六白金星のバランスが崩れると食糧不足、エネルギー不足が出てくる。

 

 

〔四緑木星〕

 

 四緑木星は風の象意。風は情報をもたらし、整え、靡かせ、空気を入れ替える。前年の五黄土星の革命的エネルギーが翌年まで及ぶ。四緑木星が中宮する年は乾宮に五黄土星が入り巽宮に三碧木星暗剣殺が入る。これにより国家、組織が陰に陽に揺さぶられる。良い意味で国家組織が革新されるが、その勢いが傲慢さに繋がると国家の威信をかけて軍拡が始まり、社会規範や国家の伝統を崩す資本家や企業が躍進する。四緑木星は環境を整える働きを持つが、その力が過剰になると風が暴風となり、あらぬ方向へ国民を誘導してしまう。独裁国家が誕生するタイミングは五黄土星から四緑木星年へ移るタイミングの年に特徴的に現れる。

 卯の四緑木星年は国民を意味する二黒土星の力が一段と増し、この勢いが2025年に向かって加速する。今まで抑圧されていた国民がいよいよ世の中を動かし始める。このため世論の後押しを得なければ物事が動かない時代へ移行する。この国民に対峙するのが六白金星である。六白は資本家、金融、貨幣、国家を意味する。その六白に破という障害がもたらされる。このことの意味は俗世の六白がダメージを受けるということである。俗世の六白とは強欲によって動かされてきた金融、経済、またこれに準じて動いてきた大企業、資本家のことであり、これらが致命的なダメージを受ける気運が到来する。折しも六白金星は天道を伴った五黄土星の影響を被るため、政府、国家はこの逆境の中で新しい姿に脱皮し、新興勢力が急浮上してくることが予測される。また企業もこの流れに乗り、新たな商環境へと脱皮し、交易ルートを確立するものも出てくる。このような中、貨幣価値の変動は避けがたく、政府の立ち回りを誤ると国民生活は混乱し窮乏を招く。

 

 

〔六白金星の運気から見る2023年からの動き〕

 

六白金星は国、政府、大資本家、財政、金融、通貨、エネルギーを表す。六白金星は2023年から運気に陰りが見えてくる。但しこれは俗世の六白金星の衰退である。真正の六白金星は世の中を平等化させ、隅から隅まで施し、国民生活を安定化させ、公共、公益に資する。真正の六白金星は恒久性を保ち、損減の世界から切り離されている。俗世の六白金星はこの公益に反して動くものであり、私欲で貯めた過剰な財を意味する。真正の六白金星は私財を溜めることがない。従って私欲で溜めた財があれば、必ず一定のタイミングではき出さざるを得なくなる。これが六白金星暗剣殺の意味である。俗世の六白金星は2023年から衰退しはじめ、2026年は暗剣殺及び歳破による艱難を迎え、2027年に役目を終え、退去することとなる。一方、天道の六白金星は2025年に一時的に姿を現し、世の中全体に向けて、国家、政府のあるべき姿を打ち立てる。そして2028年から天道を味方につけた六白金星が時流に乗り本領を発揮する。天道の六白金星は国、政府、通貨、エネルギーに関する理想の姿を表す。七赤と二黒がもたらす気の動きによって、そう遠くない時期に国民国家の理想形が現れてくる。

 

 

〔2023年の世界情勢と国内情勢〕

 

① 国民運動が広がり、国、政府、大企業が国民の要求に譲歩せざる

  を得なくなる。 

② 不正が発覚した大企業は国民の批判が高まり、事業撤退、倒産に

  追い込まれる。 

③ 世界においては新政府が樹立し、革新的政策が推進される。

④ 世界的なエネルギー供給不足。地域によっては大規模停電の恐れ。

⑤ 景気後退により、国民は全体的に倹約生活を強いられる。

⑥   世界においては財政緊縮と財政拡大の両極が現れる。

⑦   世界的な通貨価値の変動。自国通貨への移行。デフォルト。

  通貨制度の転換が始まる。

⑧   政情不安による交易環境の悪化。日常的に部品不足、商品不足が起きる。

⑨   実質的に税負担が増える。また増税に値する税制改正がある。

⑩   公共料金及び公共料金に準ずる料金の値上げ。

⑪ 穀物価格、燃料費の上昇により家計への負担が増す。

⑫   重要インフラの民営化。電波利権の解放。

⑬   情報革命が起き、メディア業界の刷新と新たなSNSの躍進がある。

⑭   ベンチャー企業の躍進が政策転換を促す。

  前代未聞の国家プロジェクトが立ち上がる。  

⑮   大物政治家の政治資金問題発覚。

⑯   土地や相続に関する新たな法律改正。相続土地国帰属法施行など。 

 

 

 

 

 

(浅沼気学岡山鑑定所監修)